魔誕
バロムを復活させる儀式。あるいは、その儀式で復活した存在の眷属が構成する勢力。
儀式としての「魔誕」
背景ストーリー上で描写された限りでは、少なくとも2回執行されている。
1度目の魔誕はエピソード世界の不明なタイミング、および/または、ゴッド・オブ・アビス世界の過去において執行された。《悪魔神バロム》が何らかの儀式によって「復活」するという描写自体は2004年発売のDM-09頃からなされていたが、その詳細は2025年発売のDM24-BD4で明かされた。
DM24-BD4では、魔誕には「生贄」と「(裏切りの) 怒り」が要求されるらしいことが描かれた。
この魔誕の執行首謀者は「闇の王」と呼ばれる存在であり、おそらく《覇王ブラックモナーク》であるものと思われる。彼と《死神信徒バーロウ・ビリーバー》の暗躍により《バロスト》が「生贄」として見出され、《魔令嬢バロメアレディ》が《バロスト》の「裏切りの怒り」を惹起するために利用された。最終的にこの魔誕では、「最強の『死神』」と呼ばれる存在、おそらく《悪魔神バロム》が復活させられた。
またこの魔誕と同時に「夜の死神四天王」なる存在が出現している。この称号は後述の王道篇背景ストーリーで登場する「夜の四天王」と酷似しており、またそれぞれの「四天王」4体の特徴も酷似していることから、両者は同一の存在である可能性がある。したがってDM24-BD4の魔誕は王道篇ひいてはゴッド・オブ・アビス世界の過去において行われた魔誕を描いている可能性が高い。
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| | DM24-BD4参考フレーバー
| 最強の「死神」の魔誕を闇の王に命じられたバーロウは最高の贄を求めた。必要となったのは、最強の肉体と、最愛の相手の存在。(《死神信徒バーロウ・ビリーバー》)
最強にして伝説の剣豪と呼ばれた悪魔、バロスト。彼の唯一の弱点、それは最愛の相手、バロメアであった。(《フェアリー・ミラクル》)
「死神」魔誕のための最強の贄を求めた闇の王は、バロメアの命を狙った。バロストは最愛の相手を護るため、自ら贄となることを申し出たのだった。(《獅子王の遺跡》)
最愛の相手が「死神」魔誕のための贄となることを知ったバロメアはバロストの助命を闇の王に求めた。闇の王はそれと引き換えにバロメアの声を奪った。(《ドンドン吹雪くナウ》)
「死神」魔誕の儀式のさなかに、バロストは自分のためにバロメアが声を失ったことを知り怒りくるったが時はすでに遅かった。その怒りこそが「死神」が魔誕するための最後のピースだった。(《地龍神の魔陣》)
魔誕した「死神」は4柱の眷属を伴っていた。4柱にも闇の王から死神の名が与えられ、夜を支配することを命じられた。彼らは「夜の死神四天王」と呼ばれるようになった。(《悪魔神バロム・エンペラー》)
「死神」の怒りは封じられても残り続け、新たな「死神」をうみ出し続けた。(《悪魔神バロム・ロッソ》}
裏切りの怒りこそが最強の「死神」を何度も復活させる。それは、古の伝説でも現代でも変わらない。(《S・S・S》)
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一方でDM-09の《呪縛の剣豪バロスト》以来その執行が仄めかされてきた「生贄を使って『バロム』を呼び出す」儀式もまた、《バロスト》が生贄にされたらしい点などが上記のDM24-BD4における魔誕と酷似している。したがってエピソード世界においてもDM24-BD4と同様の魔誕が行われていた可能性、ひいてはそもそもDM24-BD4はゴッド・オブ・アビス世界ではなくエピソード世界における魔誕を描いている可能性がある。
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| | その他の参考フレーバー
| 死の千年後、バロムが蘇る。(《呪縛の剣豪バロスト》)
かつて、私は一人の剣豪だったような気がする。だが、そんな記憶も記録もすべて破壊してしまった。 ---悪魔神バロム(《悪魔神バロム》)
悪魔の中の悪魔、バロム。彼らの血族がどこで生まれたのかは未だ知られていない。だが、悪魔神を呼び出す神官の存在は知られている。(《邪霊神官バーロウ》)
最初に降臨した悪魔神、バロムは生贄となったバロストの無念と怨念によって形作られた存在であった。しかし、一度悪魔神の姿が「バロム」として認識されたことで信仰を集めると、邪霊神官たちは生贄を使って「バロム」を呼び出すことを可能としたのだ。 — ミスティ・レポート 第三章『悪魔神について』より(《邪霊神官バーロウ》)
悪魔神復活の儀式において、生贄は欠かせないものとされていた。私見では生贄は無くとも悪魔神は復活させられるように思うのだが、闇文明の民は生贄が必要であると信じていたので、悪魔神の儀式には生贄がもちいられ続けた。主として彼らは自然文明の森を生贄とすることを好んだ。 — ミスティ・レポート 第三章『悪魔神について』より(《悪魔妖精ベラドンナ》)
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次の魔誕はゴッド・オブ・アビス世界において、王道篇背景ストーリー後半で執行された。
この魔誕の執行首謀者は《暗黒剣 フラヴナグニル》である。「生贄」とされたのは「夜の四天王」たる《喜びの夜 エルボロム・ハッピー》《怒りの夜 アゲブロム・バイオレンス》《哀しみの夜 シンベロム・カタルシス》《楽しみの夜 フミビロム・パラダイス》の4体を変換して得られた4つのタマシード、および《ジャシン》の肉体である。ここで、DM24-BD4で描かれた「(裏切りの) 怒り」に相当する要素は明示されていない。ただし彼らは《フラヴナグニル》の命でゴッド・オブ・アビス世界に出現し、各文明に対する侵略や交流に勤しんでいたのだが、それぞれの活動および感情の波がピークに達した瞬間に不意打ち的にタマシードに変換されており、この時に4体それぞれが抱いていた感情が「(裏切りの) 怒り」の代わりに用いられたと思われる。最終的にこの魔誕では、《悪魔世界ワルドバロム》が復活させられた。
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| | 王道篇参考フレーバー
| 「形勢逆転だ!喜喜喜喜喜ィィィャッハー!!」……しかしエルボロム・ハッピーは気づいていなかった。自分の身体が、徐々に硬化していたことに……そして喜悦の絶頂のまま、彫像と化してしまった。(《巡霊者アパリシオ》)
いよいよ四次元ハイクにとりかかろうとしたまさにその瞬間……フミビロム・パラダイスは、巨大な脳によって体内から身体を突き破られた。(《スーパーロマンシングファイナルフロンティアファンタジー・フィッシュ》)
ついにシンベロム・カタルシスはゴルファンタジスタと融合し、その身体を癒した。その瞬間流れ込んできたのは、あまりにも強い責任感とまるで自然そのもののように広すぎる度量だった。「これが良き進化か……友よ、ありがとう」……だが突然、体内から巨大な尾が身体を突き破ってきた!(《地底探検モーグ》)
アゲブロム・バイオレンスはジャシンに向けて無数の火山を作り出して攻撃しようとする……だが力を込めた次の瞬間!体内から巨大な爪がアゲブロムの身体を突き破った!(《ライラ・理・アイニー》)
エルボロム、フミビロム、アゲブロム、シンベロム、夜の四天王が生贄となったことで、魔誕の準備は整った。暗黒剣が魔法陣に最後にジャシンの心臓を配置すると、にわかに世界がひび割れはじめた!(《フメンダ=マジェンダ》)
ひび割れはじめた世界で、ジャシンは急激な「酔い」を感じた。魔誕で自らの肉体に膨大な感積が注がれたことによるフィードバックに襲われたのだ。(《コンダクト=ダークン》)
世界がひび割れる中、大地は裂け、波は荒れ狂い、暗雲が空を覆う。草木を枯らす障気とともに巨大な魔法陣から魔誕せし異形の存在……その名も、悪魔世界ワルドバロム!(《カンテ=ランタン》)
ワルドバロムの魔誕は、超獣たちの生誕と死のサイクルを歪めた。悪魔の力に影響され、次々と奇妙な生物が生まれた。(《剛勇幻風ナッツムーン》)
ワルドバロムの魔誕は、有機と無機の概念を崩壊させた。今や鉱石はこの大地で最も貪欲な食物連鎖の頂点となった。(《魂晶海嶺ポセイドライト》)
月から飛来した夜の四天王と各文明の闘いは、四天王の供物化という予想外の終末を迎えた。そして、それぞれの想いを胸に、新たに深淵と魔誕の闘いが始まる。(《決戦!月と太陽!!》)
自身の肉体を魔誕の供物とされたジャシン帝。忌まわしき悪魔神の魂から自身の肉体を取り戻すべく、深淵の王がついに立ち上がる。(《フェンス=カドゥッセンス》)
魔誕は常に破滅と隣り合わせだ。(《魔誕翔天マルピア》)
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王道篇背景ストーリーにおける魔誕は世界の理を書き換えるほどのものであり、超魂Xやフュージョナーを誕生させることとなった。また魔誕が世界にもたらした被害は甚大であり、その対処のために奔走する複数の文明間の結束を促すことになった。
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| | 王道W参考フレーバー
| 魔誕が世界の理を書き換えた結果、超獣たちの一部は自らの魂をモノに込めて他の超獣に受け継ぐことができるようになった……その名も超魂X! そして超魂Xが可能な超獣たちは、フュージョナーと呼ばれるようになった。(《超魂設計図》)
魔誕による被害は、それぞれの文明が個別に対処できる範囲をはるかに超えていた。「解天」の力に目覚めたゴルファンタジスタは、文明を超えた回転の力を求めてゴルギーニ・タウンに乗り込んだのだ!(《レヴェクラウド-C10》)
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勢力としての「魔誕」
王道篇後半から王道Wにかけて登場した勢力。名前に「魔誕」を含むクリーチャーが該当するものと思われる。デーモン・コマンドなど、王道篇以前から (特にエピソード世界から) 闇文明に属するものとして登場していた種族のクリーチャーたちで構成されるが、その多くは闇以外の文明を併せ持っていたり、闇以外の文明しか持っていないことさえある。
当初は《悪魔世界ワルドバロム》からの影響を受けていた、あるいは率いられていたと思われる。しかしながら王道篇背景ストーリー終盤で「ワルドバロムの器」となっていた《ジャシン》の肉体から「ワルドバロムの魂」が抜け出てしまい、これが《暗黒剣 フラヴナグニル》に持ち去られる事態が発生する。
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| | 王道篇参考フレーバー
| 暗黒剣が再び引き起こした魔誕だが……あまりに多くの力を巻き込んだため、実に不安定な状態での復活となっていた……。(《魔誕幻獣ボンメェ》)
ジャシンの魂に、ワルドバロムの器となっているジャシンの肉体が反応し……まだ不安定な状態だったワルドバロムの魂が押し出されてしまった。(《超化秘伝アビスアサルト》)
暗黒剣はワルドバロムの魂を回収すると、何処へと消え去っていった。(《シザー=ゾー》)
ワルドバロムの器とされていた自身の肉体にジャシン帝がゆっくりと近づいていった。すると、魂無きはずのジャシンの肉体が動き出したのだ!!(《カリッキ=リッキ》)
伝説の魔誕をジャシンと夜の四天王の体を器として実現させた暗黒剣。だが、その真の目的はいまだ明らかになっていない。(《機怪人形ガチャック2》)
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これ以降、勢力としての魔誕は、魂が不在の《ジャシン》の肉体が突如動き出した存在: 《堕チシ八叉ノ蛇神》に従い続けた。《堕チシ八叉ノ蛇神》および魔誕の勢力は、本能的な破壊衝動に突き動かされている。
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| | 王道W参考フレーバー
| ワルドバロムの魂が抜けたことで動きを止めたはずのジャシンの肉体だったが、突如として動き出し異形の姿へと変貌していった。(《ザザーム=アッザーム》)
ワルドバロムの魂が抜けたジャシンの肉体は、究極の異形の姿に変貌していた。(《堕チシ八叉ノ蛇神》)
異形の姿へと変貌したジャシンの肉体は・・・・・・タコのようでもあり、そして・・・・・・まるで八つの頭を持つ蛇のようでもあった。その名も、ナルガロッチ=ヴリドガルド!(《アライフ=ヴァレンティフ》)
異形への変貌を終えたヴリドガルドは、本能のままに超獣世界を破壊していく。 まるで止まらない飢えを満たすかのように。(《魔誕妖蟲エキサイト・ワーム》)
ワルドバロムの魂がその肉体から離れた後も、魔誕の勢力はヴリドガルドに従い続けた。彼らもまた破壊に囚われたものたちなのだ。(《魔誕の戦慄ジュマゾール》)
本能のままに破壊するヴリドガルドにとって、かつての自身の精神であるかは関係ない。それが破壊の妨げになるなら戦うのみだ。(《魔誕の死神ベル・ヘル・デ・スカル》)
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参考