《アーテル・ゴルギーニ》

アーテル・ゴルギーニ SR 闇文明 (5)
クリーチャー:メカ・デル・ディネロ/スーパーカー・ドラゴン 6000
ブロッカー
W・ブレイカー
このクリーチャーが出た時、次の中から2つ選ぶ。(同じものを2回選んでもよい。)
►相手のクリーチャーを1体選ぶ。このターン、そのクリーチャーのパワーを-4000する。
►自分の山札の上から4枚を墓地に置く。
►コスト4以下のクリーチャーを1体、自分の墓地から出す。
このクリーチャーが離れる時、かわりに自分の他のクリーチャーを1体破壊してもよい。

DM23-RP3で登場したメカ・デル・ディネロ/スーパーカー・ドラゴン

cipパワー低下-4000、4枚墓地肥やし、コスト4以下文明不問のリアニメイトから2つ選べるブロッカーW・ブレイカー。また、自身が離れる時、かわりに自分のクリーチャー1体を破壊できる。

この選択肢から行える内容は以下の通り。

1つ目2つ目主な用途
パワー低下パワー低下パワー4000以下2体破壊や、パワー8000以下1体破壊
パワー低下墓地肥やし先に《禁術のカルマ カレイコ》などの対墓地肥やしメタクリーチャーを破壊してから墓地肥やし
パワー低下リアニメイト先に手札以外メタなどの汎用メタクリーチャーを破壊してからリアニメイト
墓地肥やし墓地肥やしカード1枚で8枚墓地肥やし 単独で《墓地の儀》を達成できる
墓地肥やしリアニメイト《邪侵入》のような墓地利用
リアニメイトリアニメイトそれなりの墓地が要求されるが、《生命と大地と轟破の決断》のような2体出しコンボや純粋な横展開に

このカードと同様、カード1枚のプレイでパワー低下とリアニメイトを持つ《絶望と反魂と滅殺の決断》と比較して、《とこしえの超人》を選択肢1回で焼ける強みは変わらないまま、タイムラグなしにリアニメイトできる場面が増えた。

展開札として見ると、このcip前に墓地に踏み倒し先が2枚あることが前提だが、《邪幽 ジャガイスト》《「正義星帝」 <鬼羅.Star>》と同じ5マナ3面展開が手札消費なしでできる。cipを使った後もパワー6000のブロッカーW・ブレイカーが残るため強力。

cipで墓地肥やし→リアニメイトで即座に1体蘇生のアドバンテージを稼ぐ運用でも、《ハインリヒ・ダーマルク》《フェルナンド・ソシュール》[1]と比べればコストパフォーマンスの高さは明らかだろう。
種族サポートに乏しいマフィ・ギャングだから許されていたような能力を、メカかつドラゴンが持っていて、しかもそれらより軽いというのはアビス・レボリューションインフレを物語っている。

ニンジャ・チェンジ革命チェンジとのシナジーも計算し尽くされており、除去置換効果によって召喚酔いの隙を潰せる他、手札に戻すことでcipの再利用になる。

総じてメカ種族デッキに留まらない、非常に高いポテンシャルを持つカードと言える。強いて弱点を挙げるならグッドスタッフでは闇のコスト5が絶妙に重いことと、《絶望と反魂と滅殺の決断》でできた手札詠唱→墓地詠唱で合計4回妨害ができないことだろう。
また、使い切りの呪文であるそちらとは異なり、効果を使った後にクリーチャーが残る。しかもそれが2打点耐性持ちと馬鹿にできないサイズということで、攻めを開始するまでの回転率を高められるのはこのカードの特長。

他のカード・デッキとの相性

  • 《絶望と反魂と滅殺の決断》のハンデス運用まで網羅したいのなら、《特攻人形ジェニー》などをリアニメイトすれば良い。とはいえ文明を問わないコスト4以下の踏み倒し権をそれらに割くのは本当に《アーテル・ゴルギーニ》でやるべきことなのかは吟味が必要。初めから《絶望と反魂と滅殺の決断》を採用していれば、自分の墓地にcipハンデス獣が準備できていなくても、手札詠唱→墓地詠唱で4枚セルフハンデスできる。

即死コンボ

+  《凶鬼33号 ブスート》
+  《蝕王の晩餐》
+  《超罪龍覇 ボロフHELL》

環境において

DM23-RP3発売日から【青黒緑CRYMAX ジャオウガ】に汎用枠として採用された。《母なる星域》《キユリのASMラジオ》などを唱えるのに邪魔なメタカードの除去、メタカードの展開と打点の補充、ダイレクトアタック要員と、八面六臂の活躍を果たした。《飛翔龍 5000VT》《龍風混成 ザーディクリカ》で退かされないパワーラインも優秀。《♪オレの歌 聞けよ聞かなきゃ 殴り合い》のような全体破壊に対する単純な復帰手段としても利用価値がある。山札を掘削してから1枚から2枚投入の《∞龍 ゲンムエンペラー》にアクセスするという手もあるが、1枚で3体展開のカードなのでムゲンクライム4と非常に相性が良い。

同日には【青黒緑ゼーロベン】での入賞報告もされた。これ1枚と《困惑の影トラブル・アルケミスト》を含む2体のリアニメイト先によって、《闇王ゼーロ》の代替コスト条件を一気に満たせる。《闇王ゼーロ》を安定4ターン目詠唱する新たなプランが開けたということである。リソース系で2枚目以降の《闇王ゼーロ》にアクセスすることで2枚目の《アーテル・ゴルギーニ》にアクセスして山札掘削を加速し、《砕慄接続 グレイトフル・ベン》での出力を高めるという使い方もある。横展開系デッキに対しては、《「大蛇」の鬼 ジャドク丸》と共に溜める動きに対抗し、そうしてコンボ始動まで凌ぐという手がある。そもそも極論として《砕慄接続 グレイトフル・ベン》ナシで《不死鳥縫合 ブラック・ビッグバン》着地までできるケースも現実的である。

発売3日目には【赤黒テレスコ=テレス】での実績も作った。これ1枚で元々打点形成が苦手なそちらのデッキの展開力がぐんと上がる。

当初から一部では5マナ域でマナブースト持ちと《蒼狼の大王 イザナギテラス》を一気にリアニメイトし、《母なる星域》にアクセスして4ターン目の《CRYMAX ジャオウガ》着地を狙う型も使われている。それまで4ターン目着地には《キユリのASMラジオ》を使ったパターンもあったが、これが追加されたことで4ターン目着地の再現性が上がったと言える。

概要の最後に書かれている通り、闇のコスト5であるこのカードが絡むと重めの展開になる。というのは、通常の型の【青黒緑CRYMAX ジャオウガ】の場合、墓地肥やしウィニーが3コスト以上に位置しており、これで2体リアニメイトができる展開というのは、《キユリのASMラジオ》でうまく回ったとしても早くて4ターン目以降となるためである。それでも各種メタカードやブロッカーで盤面を固め、《同期の妖精》メタカードブロッカーの残機を増やせば、多少の遅さは問題にならない。また、早期にこれで2体リアニメイトするゲーム運びのハードルが高いのはあくまで相手依存の展開を考慮しない場合であり、《同期の妖精/ド浮きの動悸》《天体妖精エスメル/「お茶はいかがですか?」》の呪文側をS・トリガーで唱える機会があれば、そのハードルは下がる。

その汎用性から果てには早期の超出力が命となる【神羅ケンジ・キングダム】に汎用枠として2枚程度挿されるようになったぐらいなものである。
墓地肥やし《神羅ケンジ・キングダム》を落とすことができれば、コスト4以下リアニメイトで《ケンジ・キングダム》の上に《ケンジ・キングダム》を乗せて再抽選を狙えるため、全くのノーシナジーというわけではない。

【青黒赤バイク】でも長期戦用の札として利用される場合がある。特に重視されるのは汎用性を損なわない詰み盤面回避用の除去札という点である。他にも、【青黒魔導具】にも融通の利く墓地肥やしリアニメイト《堕魔 ドゥポイズ》などの魔導具を絡めた芸、盤面処理などの便利屋枠として1枚積みされることがある。

DM23-RP4発売約1週間前には、【白青アーテル】なるデッキが結果を残した。このクリーチャーから《イグゾースト・II・フォー》《蒼狼の大王 イザナギテラス》リアニメイトし、そこから放つ《アイ・オブ・ザ・タイガー》《緊急再誕》で2枚目以降のこちらを出し、連鎖の最後に《ダイヤモンド・ソード》を唱えれば、《ボン・キゴマイム》G・ストライク《「すべて見えているぞ!」》などの攻撃制限を全て貫通するワンショットができる。

2024年1月中旬に入ると、《夢幻なる零龍》などの自壊ギミックを採用せず、さらに《有象夢造》にも頼らず、除去と足止めで地道に《DARK MATERIAL COMPLEX》を育てる型の【青黒COMPLEXコントロール】での入賞も散見されるようになった。《同期の妖精》《奇天烈 シャッフ》などのカウンター封じ系、《終止の時計 ザ・ミュート》のようなリソース系がそちらのデッキでのリアニメイト候補になるが、時にはこのクリーチャーの打点形成力を生かし、《DARK MATERIAL COMPLEX》アンタップ条件達成を待たずワンショットすることも。

超CSⅥ in群馬』では【青黒COMPLEXコントロール】のパーツとして主に活躍。ベスト64にはこれを《ブレイン・スラッシュ》用の墓地肥やし運用特化で採用した型の【5色ザーディクリカ】も残った。

1月末からこれを軸としたコンボデッキである【アーテルループ】が流行。2024年2月発売の《終斗の閃き マトリクス》の獲得で【アーテルマトリクスループ】に洗練された。

超CSⅥ in群馬』ベスト16に【青黒緑DOOM・ドラゲリオン】が残っていたのを機に、そちらのパーツとして環境で見かけることも増えた。墓地肥やし能力を2回使えば、自身の召喚コストと差し引いて実質的に《超神星DOOM・ドラゲリオン》が3コスト軽減となる。

アニメ・漫画において

その他

  • このカードの情報が初出しになる動画の煽り文句は「まるで生きたダークネス!?」。イラストやカード名には《絶望と反魂と滅殺の決断》の面影を残していないが、3つの選択肢から重複可能で2つ選べる部分で色濃くその様相を再現している。またそのモードの構成要素も、パワー低下は全く同じで、リアニメイトはオーラが出せない以外は同じコスト帯を出せる共通点がある。
  • デュエチューブで明かされた話によると、開発段階では2つのモードから1つしか能力を選べないなど、製品版よりずっと弱かったと言い、メカのバックアップとしてはこれでは能力が足りないということで上方修正された。参考
  • モード能力のテキストに不備がある。「次の中から2つ選ぶ。」となっているが、本来これでは同じものを2回選べない。同じものを選べるなら「次の中から2回選ぶ。」の筈である。
    • 注釈文で補足されているため辛うじてデザイン通りの挙動は取れるが。
  • アーテル(ater)とはラテン語で「」の意。

サイクル

DM23-RP3スーパーレア文明シャッフルサイクル。すべてコスト5のクリーチャーで、耐性として働く能力または召喚酔いを無視する能力を持つ。

関連カード

収録セット

参考


公式Q&A

  • 4つ目の能力について

Q.バトルゾーンにいる自分のクリーチャーが《アーテル・ゴルギーニ》のみの状況で、自分は《堕魔 ドゥポイズ》を出しました。
《堕魔 ドゥポイズ》の「出た時」の能力で自分のクリーチャーを2体破壊する際、《アーテル・ゴルギーニ》の「離れる時」の効果でかわりに《堕魔 ドゥポイズ》を破壊し、《アーテル・ゴルギーニ》をバトルゾーンに残せますか?
A.はい、残せます。
引用元(2024.1.18)


[1] ただし、この2枚は「出た時または攻撃する時」なので継続的にアドバンテージを稼げる場合がある。