S(エス)(きゅう)宇宙(スペース) アダムスキー》

S級宇宙 アダムスキー SR 水文明 (7)
進化クリーチャー:マジック・コマンド/S級侵略者 7000
進化:水のクリーチャー1体の上に置く。
S級侵略[宇宙]:水のコマンド(自分の水のコマンドが攻撃する時、バトルゾーンまたは自分の手札にあるこのカードをその上に重ねてもよい)
W・ブレイカー
このクリーチャーはブロックされない。
このクリーチャーがシールドをブレイクする時、かわりに相手の山札の上から2枚を、持ち主の墓地に置く。

DMR-19で登場したマジック・コマンド/S級侵略者進化クリーチャー

ブロックされないW・ブレイカーだが、シールドブレイクするかわりに相手の山札墓地に置く能力を持つ。このクリーチャーW・ブレイカーを持つため、合計で山札を4枚削れる。
シールドを1つもブレイクできないW・ブレイカーという前代未聞のクリーチャー

相手の山札を削るという意味でライブラリアウトに特化した性能と言える。
山札を減らす量は《猛菌魚雷ヤサカノフカ》の半分だが、このクリーチャーブロックされない上にブレイクせずに山札を削るため、S・トリガーなどの逆転要素を受け付けない。

また、「宇宙(スペース)」のS級侵略によってバトルゾーンにあるこのカードを別のコマンドに乗せ、《超獣軍隊 フォックスリー》のように連続で侵略できる。

ちなみにバトルゾーンにあるクリーチャーから侵略する「宇宙(スペース)」のS級侵略は、進化カードである《S級宇宙 アダムスキー》だけを剥がし、進化元はそのままバトルゾーンに残る。(このため、他の侵略とは違いテキストが「このカード」となっている)

ゲームが始まった時の山札は30枚、さらにこのクリーチャーが出るまでのターンが経過すると、残りの相手の山札は15〜25枚程度が多く、攻撃回数の目安としては4〜6回程度でライブラリアウトになる。
バトルゾーンにあるコマンドの数次第では1ショットキルも可能だろう。

更にこのクリーチャー能力置換効果であるため、《デュエマの鬼!キクチ師範代》《悠久を統べる者 フォーエバー・プリンセス》ライブラリアウト阻止をすり抜ける。
DMR-19時点ではこのクリーチャーによるライブラリアウトを防ぐ手段はほとんど存在せず、唯一除去可能な《疾封怒闘 キューブリック》バウンスであるため再侵略されるだけ。

ブロッカーでは止まらず、ブレイク置換効果のためシールド・セイバーも無意味。ブレイクされないため手札が増えず、革命も無力化する厄介なクリーチャーニンジャ・ストライクでも《斬隠オロチ》以外では除去できない。山札回復ができる《怒流牙 サイゾウミスト》なら少しは粘れるが、侵略元が多ければ一時しのぎにしかならない。
優秀なマジック・コマンドである《奇天烈 シャッフ》の存在もあって、【ヘブンズ・ゲート】【トリガービート】のような受け身を要とするデッキは格好の餌食なので気をつけておきたい。

対抗手段としては何とかしてバトルゾーンに出させないことと、返しのターン除去が最も有効だろう。《神人類 ヨミ》などでブレイクそのものを封じたり、攻撃制限の類で攻撃させないことも効く。切札が出る前に決着を付ける速攻も通用するだろう。
パワーも7000と登場時点のカードプールですら《超音速 ターボ3》と相打ちになるラインなので、殴り返しにも弱め。
このクリーチャーよりも先んじてフィニッシャーを出せばそこまで脅威ではないので、お互い相手よりも早く勝利に繋げることが鍵となる。

ルール

S級侵略[宇宙]のルールについては該当ページを参照。ここでは、ブレイクの処理について記載する。

  • 相手の山札が1枚の時のみブレイクは通常のブレイクになる。置換した後の指示されたイベントを完全に実行できなければ置換できないという置換効果のルールによるもの。例として《絡繰の悪魔龍 ウツセミヘンゲ》の「破壊されるかわりに墓地のカードを4枚山札の下に戻す」破壊置換効果墓地のカードが4枚未満なら不発に終わるのと同じ理由である。
    • 大抵の場合は相手にターンを渡すことでライブラリアウトが確定するためほぼ問題はない。自分の手で相手の山札を削りきって決めたい場合は、相手の山札が偶数か奇数か把握しておこう。もし通常ブレイクになってしまった場合、山札を回復できる《埋没のカルマ オリーブオイル》《目的不明の作戦》等には要注意。
    • 開発側からすれば、山札が1枚しかない場合でも置換効果は適用されるつもりだったのだろう。いかにこのルールが忘れられやすいかを物語る1枚と言える。
    • 《宇宙 タコンチュ》の裁定は変更されたが、このカードは「引く」とは無関係な「墓地に置く」なのでその裁定変更で強化はされていない。
  • 2017年3月25日ルール改訂によってシールドを同時にブレイクするようになったが、ブレイクするシールド1枚ごとに置換効果が適用される。よってシールド2枚以上の時のW・ブレイクであれば従来通り4枚削ることが可能。また、誘発した効果処理は同時に行われないので、W・ブレイクの際に山札が4枚未満の場合、片方のシールドは置換に成功し2枚削れるが、残りのシールドは山札が1枚しかないので通常ブレイクという形になる。(どちらを通常ブレイクにするかは《アダムスキー》の持ち主により決められる)
    • つまり「ブレイクは同時に行われるので何枚ブレイクしても1回しか置換できず山札2枚しか削れない」あるいは「置換効果は同時に処理されるので削る枚数の合計より山札が少なければ全てのシールドに対して置換効果が不発に終わる」などは間違い。

環境において

革命編環境では【天門ループ】におけるフィニッシャーとして利用されることがあった。

後に《ヴォルグ・サンダー》殿堂入りを果たすと【青黒ハンデス超次元】におけるリペア札として注目が挙がり、DMEX-05期にもこれを入れた構築のチャンピオンシップ4位以内入賞が複数件報告されている。その場合、主な侵略元は《龍素記号Sr スペルサイクリカ》《勝利のリュウセイ・カイザー》となる。

DMRP-10期には《Wave All ウェイボール》GRクリーチャーを並べ、《宇宙 タコンチュ》コマンド付与してからこのカードで総攻撃を仕掛ける型が【青黒ハンデス超次元】で成立。この場合、《永遠の少女 ワカメチャ》でメタを張られても並べたGRクリーチャーで1ショットキルするというプランに移行できるのが強い。

初期型の【青黒緑デッドダムド】でも使用されたが、DMBD-10発売から1ヶ月程度が経過するとこれがなくても十分勝てることからそちらでは不採用が目立って行った。

DMEX-12期に【青黒緑デッドダムド】が環境復帰を果たすと、《轟く革命 レッドギラゾーン》で革命チェンジするタイミング次第では比較的楽にライブラリアウトまで持ち込めることが判明し、採用がまた増えていった。

DMEX-15期になると、【ダークネスコントロール】が成立。そちらのデッキに必要不可欠なフィニッシャーとなった。1ターンライブラリアウトまで持っていけなくとも、この頃の環境には殿堂入りカードでの圧殺を勝ち筋にするデッキが多く、1ターン山札破壊を撒いただけで相手の山札にまともにフィニッシュパーツが残っているかどうか疑わしい状況に持っていけることも多い。

DMEX-15期に獲得した《神の試練》はこのカードの強化パーツとなっており、追加ターンを連続で獲得することで課題であった侵略回数の確保が解決された。ただし、相手に使われてライブラリアウト回避効果が働くとこのカードが腐るため、《神の試練》の存在は敵に回すと厄介である。

王来篇環境終盤で《魔天降臨》軸の【5色ザーディクリカ】が台頭して以降、1回や2回はターンを渡しても安全と言える状況を作った後のフィニッシャーとして使われる場合がある。【ギャラクシールド】系統で防御力に任せて複数ターン跨ぐ形でこれを利用するケースもある。

【青単Drache der'Zen】が発祥するとそのフィニッシャーとして使われる事例も見られるようになった。

ただ、アビス・レボリューション環境辺りになると【5色ザーディクリカ】にしてもこのカードまで使わなくとも《CRYMAX ジャオウガ》《聖魔連結王 ドルファディロム》ぐらいで十分勝てるケースが激増し、採用はまばらになった。

【シールドプリズン】の環境進出初期のアドバンスでは《闇参謀グラン・ギニョール》《熊田すず》などを採用した《FORBIDDEN STAR〜世界最後の日〜》型が主流の1つであったが、当時は《頂上の精霊 ミラクルスZ》《闇参謀グラン・ギニョール》からこれに侵略させて勝ちにいく型もあった。

その他

  • 山札を削る効果はあくまでブレイクを置き換えて行われる。別のクリーチャーの上に重ねた時に4枚山札を削る効果と勘違いしないように。そのように勘違いして複数枚重ねても重ねた分だけ効果が増すことはない。
  • 墓地が増えるため墓地利用デッキだと逆利用される可能性もあるが、墓地肥やしの際は山札を減らすことが多いため、逆に無重力勝利がしやすくなるケースが多い。
  • キッズステーションで放送された情報番組「デュエマTV!!」では岩手のデュエマヒーローであるザ・グレート・ソバコがデュエンジャーズの科学力によって復活したわんコップが使用。
    S級侵略で転々と味方クリーチャーへの乗り換えをしつつ、ダイキの山札をごっそり削り、山札を残り1枚まで追い込んだものの、このクリーチャーの能力で山札から墓地に送った《S級不死 デッドゾーン》S級侵略を許してしまい、ブロッカー3体全てを排除されて敗北した。

デュエル・マスターズ プレイスでは

S級宇宙 アダムスキー SR 水文明 (7)
進化クリーチャー:マジック・コマンド/S級侵略者 7000
進化:水のクリーチャー
S級侵略[宇宙]:水のコマンド
W・ブレイカー
ブロックされない。
このクリーチャーがシールドをブレイクする時、かわりに相手の山札の上から2枚を墓地に置く。

DMPP-27で実装。

TCG版の性能そのままで登場した。

  • デュエプレでこれまで避けられていた退化の挙動と実戦級の山札破壊の2つの要素を一気に現実のものにした革新的な1枚。
    • S級侵略の仕様上、単純に退化させても元のクリーチャーに戻るだけだが、メテオバーンの性質を利用することで狙ったクリーチャーを残せるようになる。まず進化元を空にした《超電磁コスモ・セブ Λ》[3]を用意し、下に《コスモ・セブ Λ》自身の能力または《時空の庭園》で残したいクリーチャーを仕込む。その状態で《アダムスキー》に侵略しつつメテオバーンを起動すると、進化元のうち最も上にある《コスモ・セブ Λ》が墓地に送られる。最後に他のクリーチャーに再び侵略して《アダムスキー》を剥がすことで、仕込んだクリーチャーがバトルゾーンに残ることとなる。
  • このクリーチャーが相手プレイヤーへ攻撃を行うと、相手プレイヤーではなく相手の山札へと攻撃する演出が発生する。
    • 相手の山札が1枚しかなかったり《デュエマの鬼!キクチ師範代》が存在して置換効果が発動できない場合は演出は他のクリーチャー同様になる。相手の山札が2~3枚の場合、プレイヤーの方向へ攻撃する動きをしつつ山札とシールドの両方へと攻撃演出が発生する。
  • アニメ作品では男性声優がボイスを担当していたがデュエプレでは女性声優が担当しており、機械音声またはAIナビのような淡々とした口調の少女ボイスとなっている。
    • 攻撃時のボイスは「プランA『無重力勝利』実行中」、ダイレクトアタック時は「プランB『殴り勝つ』コンプリート」となっている。
    • 破壊された際のボイスでは、「ネガティブトラディション、起動」と発する。直訳すると「悪しき伝統」で、意味が不明瞭である。
      トラディション(Tradition)と綴りのよく似た単語として、トランジション(Transition)がある。もし意図していたのがこちらだったのなら「状況悪化」という意味[4]になり、被破壊ボイスというシチュエーションに噛み合ったものとなる。更に推測を重ねるなら、起動したのは被害を受けた際の対応シーケンスか何かだろうか。

関連カード

フレーバーテキスト

収録セット

デュエル・マスターズ

デュエル・マスターズ プレイス

参考


公式Q&A

Q.自分のバトルゾーンに《フォー・ユー》を進化元にし、オーラが1枚付いた《S級宇宙 アダムスキー》がいます。「S級侵略[宇宙]」を使用し、《S級宇宙 アダムスキー》を別のクリーチャーの上に重ねた際、付いていたオーラは一緒に移動しますか?
A.いいえ、移動しません。《S級宇宙 アダムスキー》の「S級侵略 [宇宙]」は、カード単体を別のクリーチャーの上に重ねる能力ですので、再構築によって《フォー・ユー》をバトルゾーンに残す場合、オーラも《フォー・ユー》に付いたまま残ります。再構築の際、進化元のクリーチャーを残してオーラのみを墓地に置くことは出来ません。
引用元(2020.2.26)

  • 5つ目の能力について

Q.バトルゾーンに自分の《ドラグ変怪》がいる状況で、相手は《S級宇宙 アダムスキー》で自分を攻撃しました。 《S級宇宙 アダムスキー》がシールドをブレイクする際、置換効果によって自分の山札は墓地に置かれますか?
A.はい、置換効果は連鎖しないので、ブレイクされるシールド1枚につき山札の上から2枚を墓地に置きます。

+  (総合ルール 101.5)

引用元(2020.6.26)

Q.自分の山札が残り2枚の状況で相手の《S級宇宙 アダムスキー》が自分を攻撃しました。シールドを2つブレイクする際、置換効果によって1つブレイクするかわりに山札の上から2枚が墓地に置かれ、もう1つが通常通りブレイクされました。
置換効果によって山札が0枚になるのですが、《S級宇宙 アダムスキー》によってブレイクされ手札に加わったシールドが《一王二命三眼槍》だった場合、その置換効果で、敗北を回避できますか?
A.はい、置換効果を適用できます。《S級宇宙 アダムスキー》の置換効果の適用とシールドのブレイクは同時です。山札が墓地に置かれて0枚になるのと、《一王二命三眼槍》が手札に加わるのは同時ですので、山札が0枚になってゲームに敗北する状況起因処理に対して、《一王二命三眼槍》の置換効果を適用できます。
引用元(2022.7.28)

Q.《S級宇宙 アダムスキー》がシールドを2つブレイクする際、置換効果によって1つブレイクするかわりに相手の山札の上から2枚を墓地に置きますが、相手の山札が3枚の場合、どのような処理になりますか?
A.相手の山札が3枚の場合、シールド1つのブレイクは置換効果を適用し、山札の上から2枚を墓地に置きます。もう1つのブレイクは置換効果が適用できないため、通常通りそのシールドをブレイクし、相手はそれを手札に加えることになります。
引用元(2022.7.28)


[1] 相手の山札が残り4枚で、《アダムスキー》で削った最後の4枚の中に《悠久》がいた場合は、《悠久》の能力が解決する前にライブラリアウトで勝利できる。
[2] 総合ルール609.4「変更された後のイベントが実行できない場合、置換する事はできません。」による措置。
[3] 《アダムスキー》登場時点における水のコマンドのうち、メテオバーンを持つ唯一のクリーチャー。
[4] その他、サッカーの専門用語として「攻撃から守備に転換する際の流れ」という用法もある。何にせよ概ね同義である。