ビックリ枠殿堂レギュレーションが改訂される際、誰も予想しなかったカードが殿堂カードに加わること、およびそのカードのことを指す俗称。 殿堂カードは、制定される直前の環境を席巻しており、枚数制限されることがプレイヤー目線でも順当と考えられるようなカードから選出されるケースが多い。そのため、殿堂レギュレーションの改訂前には、カードの活躍度、および個々のプレイヤーの視点の差はあるものの、ある程度殿堂カードの予想が立てられる。 殿堂入りが予想されるカードは「殿堂候補」などとも呼ばれたりする。一方、その当時の環境で大した活躍をしていないカードについてはそもそも話題にしない。 由来は予想外の殿堂入りを果たした呪文である《ビックリ・イリュージョン》。 枠とは言うものの、必ずしもそのようなカードが選出されるわけではなく、また殿堂入りの理由も公式から公表されない限りは個々人の考察でしかないため、『どのカードがビックリ枠か』というのは必ずしも定まったものではない。この概念について話すときはお互いの認識が合っているか十分注意したい。
ビックリ枠とされるカード《アクア・ハルカス》2008年4月15日付で殿堂入り。弱くはないが、3コストパワー2000で1ドローという淡白な性能である。 このカードの殿堂入りと同時期に種族がサイバーロードになっただけの同型再販の《クゥリャン》が登場したことも、このカードの殿堂入りの疑問に拍車をかけている。「リキッド・ピープルは主に攻撃的な種族であり、ドローを担当するのはサイバーロードやサイバー・ウイルスである、という位置づけにしたかった」、「3コスト2000でcip1ドローを8枚積み体制にさせたくなかった」などの考察もあるが、それでもこのカードが環境を大きく乱すほどの強さがあったとはとても言えないため、やはり疑問は拭えない。 なお同時期に殿堂入りした《呪紋の化身》も、強力ではあるが極神編当時の環境では目ぼしい活躍が少なかったためかなり意外な殿堂入りとされた。 《スパイラル・ゲート》2010年5月15日付で殿堂入りした水の呪文。コストが軽く、S・トリガーを持った手軽なバウンス能力を持つ。その軽さと自分のクリーチャーも対象に入る汎用性の高さから青入りの速攻の必須パーツであったが、相手に大したディスアドバンテージをもたらす能力でもなかったため、当時は「強いけど殿堂入りするほどか?」と言われた。 しかし、覚醒編にてサイキック・クリーチャーの存在が明かされ、それらに対しては破壊と変わらない事実上の確定除去手段になるため、それが原因で殿堂入りになったという説が濃厚になっている。 ただし、同コストにはS・トリガーが抜けて条件付きキャントリップを持つ《ザ・ストロング・スパイラル》が既に存在していた。結局覚醒編ではリペアするように《スパイラル・ゲート》+《ザ・ストロング・スパイラル》の組み合わせが多く見られたため、長らくこのカードの殿堂入りを疑問に思うプレイヤーは多かった。 結局2022年7月1日付けで他の多くのカードとともに殿堂解除となった。 《ビックリ・イリュージョン》エピソード1環境では特に活躍していたわけでもないにもかかわらず、2012年8月11日付で突如殿堂入りが決定。 後に登場したアタック・チャンス呪文と強力なシナジーを生み出すことが原因で殿堂入りした説が濃厚。 《暴龍警報》ドラゴン・サーガ終盤の2015年6月15日付の殿堂入り。 後に、革命編で火のコマンドを対象とした侵略能力を持ったクリーチャーが登場することが判明したため、種族にコマンドを追加するこのカードの殿堂入りはそれらが暴れないようにするための予防であると考えられる。 《無双恐皇ガラムタ》2016年2月28日に殿堂入り。元々、【ドミティウス】や【イメンループ】のフィニッシャーとして活躍し、S・トリガー封じで猛威を振るい、いつ規制してもおかしくはないカードではあった。 しかし、このカードが殿堂入りした時期は、革命0トリガーという新たな防御能力が登場して、【ドミティウス】や【イメンループ】も環境からフェードアウトしていたところなので、このタイミングでの殿堂入りには疑問が残る。 また、元々このループのフィニッシャーとして活躍していたこのカードは1枚積みで使われていたので、殿堂入りしてもほとんど意味がなかった。そのため、規制するにも「なぜプレミアム殿堂じゃないんだ」という観点でも疑問に残る殿堂入りとなった。 《超次元ガロウズ・ホール》2018年3月1日付で殿堂入り。 このカードが殿堂入りした当時は、確かに強力な呪文であり、コスト踏み倒しメタを除去しながら水はもちろんのこと闇のサイキック・クリーチャーも呼び出せることから、汎用性が高かった。特に、後に革命ファイナルで登場した《Dの博才 サイバーダイス・ベガス》のDスイッチによるカウンター札として厄介な存在になっていた。 しかし、元々このカードはオーバースペックと言えるほどの強さはない。むしろドラゴン・サーガ以前は基本カードとして定着してすらおらず、定着したのは革命編環境で【超次元デッドゾーン】のパーツとして流行して以降であった。それ以上に、このカード以外にも《テック団の波壊Go!》や《英知と追撃の宝剣》などの強力呪文も打てる《サイバーダイス・ベガス》が殿堂入り候補と見られていたため、このカードの殿堂入りはまさかのことであった。ちなみに《サイバーダイス・ベガス》は2021年6月現在でも殿堂入りしていない。 《次元の霊峰》2018年7月14日付で殿堂入り。 2コストの多色サーチ呪文で、環境では専ら《蒼き団長 ドギラゴン剣》または《ドギラゴン剣》の能力で踏み倒せる多色クリーチャーを手札に持ってくるために使われた。サーチ呪文としては軽量級で使い勝手はいいが、全くのオーバースペックというわけでもない上に、当時は《ドギラゴン剣》の殿堂入りが濃厚視されていたため、このカードの殿堂入りは予想外だった。それだけでなく、《ドギラゴン剣》ではなく周辺パーツであるこのカードを規制したことで多くのプレイヤーが納得できないものとなっている。 《瞬封の使徒サグラダ・ファミリア》2019年3月1日に殿堂入り。 この時期は、環境で猛威を振るっていた【赤白“轟轟轟”ブランド】にこのカードが使用されていたものの、使用率は半々程度であったため、意外な感を持たれた。 《ヴォルグ・サンダー》2019年3月1日に殿堂入り。同年7月1日にプレミアム殿堂。 このカードが登場したばかりの頃は、【ヴォルグ・サンダーライブラリアウト】というデッキタイプを生み出して環境で大暴れし、殿堂入りを危惧されたが、《悠久を統べる者 フォーエバー・プリンセス》が登場してからは環境で暴れることはなくなり、このころは殿堂入りを免れた。 とはいえ、超次元ゾーンというメインデッキを圧迫しない8枚の枠に入ることから、相手が呪文主体のデッキを使ってきたときのために「入れておいて損はない」と言わんばかりに1枚だけ投入されることが多々あった。そのため、呪文主体のデッキが組まれることは少なく、もしそのようなデッキを組む場合も保険用に《フォーエバー・プリンセス》の投入も考えられたため、どの環境でもデッキ構築の段階で常に意識せざるを得ないカードだった。そのため、いつ規制されてもおかしくないカードではあった。 しかし、このカードが殿堂入りしたのは、ツインパクトの登場でこのカードの刺さりが悪くなった双極篇終盤。さすがに、このタイミングでの殿堂入りは誰もが予想外であった。 直後の超天篇で新たなカードタイプであるオレガ・オーラが登場したため、それらを活躍させるためにこのカードが規制されたことが殿堂入りの主な理由だと思われる。 しかし、このカードは1枚積みでもオーラ主体のデッキには刺さるため、あまり意味のある殿堂入りではなかったためか、さらに殿堂入りからわずか4か月後の2019年7月1日付にプレミアム殿堂になった。殿堂入りからたった4か月という短い期間でプレミアム殿堂されたことでも多くのプレイヤーを驚かせた。 上記の通りループに使われていた過去があり、更に超次元ゾーンに入れられることから殿堂入りでは効果が薄い、プレミアム殿堂にするべきという声が存在したのも確かである。規制した時期があからさますぎたのが批判を呼んだ理由であると思われる。 《Dの牢閣 メメント守神宮》2020年1月1日付で殿堂入り。 このカードが殿堂入りする半年前までは、【赤白“轟轟轟”ブランド】や【チェンジザドンジャングル】などで殿堂入りを危惧されるほどの活躍を見せていたが、2019年7月1日付で《“轟轟轟”ブランド》が殿堂入りし、このカードのタップを無力化する《BAKUOOON・ミッツァイル》も環境で数を増やしたことによって、一気に環境から姿を消す。 それから2019年の終盤まで全く音沙汰がなかったにもかかわらず、まさかの殿堂入りが発表された。おそらく、同時期に《BAKUOOON・ミッツァイル》や《禁断機関 VV-8》も殿堂入りするため、それによる環境の低速化でこのカードが再び環境で暴れ出すことを危惧されたからだと思われる。予想外の殿堂入りではあったものの、半年前までの環境での活躍ぶりを見れば、復権を果たすことは容易に想像できることではあるので、納得の殿堂入りでもあった。 《熱き侵略 レッドゾーンZ》【レッドゾーン】の必須パーツとして知られるカード。 このカードのシールド焼却能力はなかなか強力だが、【レッドゾーン】はなかなか環境に定着できなかったため、このカードの評価も中堅クラス止まりだった。 このカードが殿堂入りに指定されたのは、2020年7月1日付。この時期は、【レッドゾーン】は強力なデッキではあったが、環境を壊しかねないほど強いわけでもなく、ソリティアデッキの【カリヤドネループ】や【ネイチャーループ】を差し置いての規制は多くのプレイヤーの予想を裏切った。おそらくDMEX-12で登場する《轟く革命 レッドギラゾーン》でシールド焼却を使い回される事、直近に登場したギャラクシールドへのメタとして機能する事を危惧されたのだろう。 《ジョット・ガン・ジョラゴン》ジョーカーズの顔にして【ジョット・ガン・ジョラゴン】の核。2020年12月18日に殿堂入り。 《裏切りの魔狼月下城》2コストで、最大3ハンデスできる呪文。 2018年3月1日に殿堂入り、2021年7月1日にプレミアム殿堂。まず、殿堂入りは大方の予想通りできたが、プレミアム殿堂を予想できた者は見受けられなかった。 ただ、マナゾーンに多色が4枚あれば、かの《スケルトン・バイス》を遥かに凌駕するコストパフォーマンスを誇るハンデス呪文になるこのカードは、元々2017年の時点で殿堂入りを介さずに一発でプレミアム殿堂してもおかしくないと思うプレイヤーも少なくないほどのスペックだった。 それに加えて、2021年7月1日直前の環境でも、《裏切りの魔狼月下城》は【5色コントロール】でしっかりと高い使用率が誇っていたため、その当時の環境で見ても、このカードのプレミアム殿堂は決して妥当性を欠いたものではなかった。 それでも、このカードのプレミアム殿堂を予想できた者が少なかったのは、他に殿堂カード候補が多かったことにある。 プレミアム殿堂の要因としては、多色でありながらタップインせずにマナゾーンに置ける《Volzeos-Balamord》のキング・セルとの組み合わせによる最速3ターン3ハンデスを危惧されたと考えられる。 《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》ひとたびメテオバーンが成立すれば、相手の妨害を考慮しない限り勝利が確定する強力なフィニッシャーで、よしんば除去されても選ばれた場合は相手に2ランデスを浴びせる。それが3ターン目にポンと出るのだから弱いはずはない。 2024年3月11日に殿堂入りに指定。殿堂発表の際は「まさか【超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン】を暴走させている元凶である《進化設計図》を差し置いての殿堂入りとは」と驚きの声に包まれた。《進化設計図》自体が【JO退化】を消滅に追いやったバランスブレイカー的手札補充であったため、この改訂で《進化設計図》がこのカードを盾に逃げ切った印象を持たせた。 とはいえ無対策の相手に対して3ターンキルが安定する上に、存在するだけで環境を多少なれど歪ませる性質がある上に、それまで超CSや公認グランプリなどの大型大会で上位入賞を度々記録したため、これ本体の殿堂入り自体は至って妥当である。 その他
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