天災(ディザスター) デドダム》

天災 デドダム P(R) 水/闇/自然文明 (3)
クリーチャー:トリニティ・コマンド/侵略者 3000
このクリーチャーが出た時、自分の山札の上から3枚を見る。そのうちの1枚を手札に加え、1枚をマナゾーンに置き、残りの1枚を墓地に置く。

DMBD-10で登場した//自然トリニティ・コマンド/侵略者

cip山札の上から3枚を見て、その中から1枚ずつ選んで手札補充マナブースト墓地肥やしに充てることができる。
キャントリップでマナが増えクリーチャーが残りついでに墓地まで肥やせるという、《青銅の鎧》《アクア・ハルカス》《ブレイン・チャージャー》もビックリのコストパフォーマンスを誇っている。
手札マナゾーン墓地にカードを1枚ずつ増やすというだけでも強力だが、それぞれに振り分けるカードを山札の上3枚から自分で選ぶことができるため小型《ライフプラン・チャージャー》的なサーチとしても使えて、数と質の両方を高めることができる。マナゾーンへの多色タップイン事故も防ぎやすく、序盤はもちろん終盤でもリソース確保として重宝する。

これだけでもコスト3のスペックを凌駕しているが、なんとコマンドまでついている。そのため、3色であることも相まって侵略先も豊富で味方の封印外しにも事欠かない。

パワーも3000とコスト3のクリーチャーとしては合格点。【我我我ブランド】の1コストウィニー《龍月 ドラグ・スザーク》ムゲンクライムコストとしてタップした大方のGRクリーチャーぐらいなら殴り返しに困らない。

そのスペック汎用性は目を見張るものがあり、環境に与えた影響は絶大。
普通3色多色カードというだけで入るデッキが限られ、デッキ構築にもそれなりの制約が生じるがこのカードはその常識を覆す。

の合うデッキであればよほどの理由がない限りまず4枚積みで投入されるのはもちろんのこと、「《デドダム》を入れるためにデッキの色を《デドダム》に合わせる」という事態が頻発。
既存の2色3色デッキが、このクリーチャーの色を基準に4色デッキに開拓されるという事例はもはや珍しくない。【ゼロ・ルピアループ】【青黒緑ゼーロベン】が代表的な例だろう。

強いて欠点を挙げるならば、能力強制であり、山札が一気に3枚削られるためライブラリアウトには注意。

他のカード・デッキとの相性

  • 3色カードの中では色の組み合わせは優秀な方で、1,2ターン目にも使える手札交換サーチが豊富な自然を含むため、他の3色カードに比べて色事故で3ターン目に召喚できない事態が起きにくい。他にも2ターン目に《フェアリー・Re:ライフ》などの2コストのブースト札を使うことで、ここで色が揃えば3ターン目に単色マナをチャージしなくともコストを支払える。に関しても、《絶望と反魂と滅殺の決断》など闇を直接指定する墓地利用カードは多いため、《デドダム》が闇を持つことでそのユーティリティを高めているカードは非常に多い。後に登場した《ブレイン・スラッシュ》はこの点を強く活かせるカードの一つ。
    また、仮に4ターン目以降の召喚になっても腐りにくい。実際にコスト4だが確実に《デドダム》を出せる《運命の選択》が脚光を浴び、俗に「超次元デドダム・ホール」とも呼ばれたこともある。

環境において

実際の登場後の超天篇環境では専用デッキの【青黒緑デッドダムド】が成立。【ドルマゲドンX】系列でも一応使われることがあったが、当時【ドルマゲドンX】は環境外だった。他にも、【5色ドギラゴン剣】でも使用されていた。このカードのおかげで【青黒緑デッドダムド】と【5色ドギラゴン剣】の両者のデッキを折衷した型も登場するに至った。

【青黒緑デッドダムド】では、デッキビルディング面で無駄な4枚積みを避けることができるサーチ手段としても機能したため、《虹速 ザ・ヴェルデ》ですら3枚に抑えられることもあった。

とはいえ、やはり3色カードであるためしばらくは環境レベルで入るデッキと言えばその【デッドダムド】以外では【ドッカンデイヤー】5色デッキくらいしかなかった。

DMRP-12以降【バーンメアジョーカーズ】にて《グレープ・ダール》マッハファイターの的になることで、クリーチャーであることがデメリットとして見られることもあった。それでも、超天篇末期には、【バーンメアジョーカーズ】にこのカードを入れるために4色で組んだ【4色バーンメア】も登場するに至った。

DMEX-12期でビッグマナが環境に台頭し始めると、ついに【5色蒼龍】《フェアリー・ミラクル》スロットを奪って採用されることが多くなった。無色《DG-パルテノン 〜龍の創り出される地〜》が入ったことによって、《フェアリー・ミラクル》の2マナブーストが難しくなったため、マナに置くカードをある程度調整できる《デドダム》が優先されるようになった。
さらに、チャンピオンシップで優勝・入賞を果たした【カイザー「刃鬼」】にも、このカードが普通に4枚積みされることが多かった。

2021年1月から導入されたオリジナルフォーマットでは、【青黒緑デッドダムド】【5色蒼龍】が一気に注目を集め始め、それに採用されるこのカードも需要が一気に高まった。

この頃には、【青黒緑デッドダムド】において、《運命の選択》でこのクリーチャーをリクルートする型が考案された。それまで環境で全く使われなかった《運命の選択》の地位を押し上げたことで、このクリーチャーもカードパワーの高さを再認識された。

DMRP-16発売から1ヶ月余りが経過すると自然が本来入らないはずの【白青黒オレガ・オーラ】に採用されるケースも目立った。マナ基盤が務まるのは当然のこと、4ターン目に《極幻空 ザハ・エルハ》プレイしやすいように山札を掘れるのが大きい。マナも伸びるので無月の大罪の試行回数も増える。しかも、三色要求するという欠点も、《希望のジョー星》を使って容易に打ち消すことができる。
また、このカードを採用する点を目的の一つとした【青黒赤緑ヴァイカー】が構築された。

DMRP-17以降は、オリジナルで新たに誕生した【4色鬼羅.Star】で使われるようになる。リソース要員としては当然のこと、文明指定進化に幅広く対応する万能進化元という一面も見せるようになった。

このように着実に入るデッキを増やしていき、環境内の【青黒緑デッドダムド】【5色コントロール】【青黒赤緑ヴァイカー】【4色鬼羅.Star】【オカルトアンダケイン】で3~4投されるようになった。

王来篇環境に流行する【5色グレンモルト】では《最終龍覇 グレンモルト》で呼び出した《邪帝斧 ボアロアックス》で呼び出すケースも珍しくない。一方で、【5色コントロール】が自身とコストの重複する《フェアリー・ミラクル》を基盤の1つとした型に回帰していくと、最速で召喚するよりも中盤以降の便利屋として使われる側面が強まった。《天使と悪魔の墳墓》軸の【5色コントロール】の中にはほぼハイランダーの入賞構築もあるが、そうしたデッキでも例外としてこのカードが4枚積みされることがあり、如何にこのカードが【5色コントロール】において中心的であるかが窺える。

【5色ザーディクリカ】では他に《ナウ・オア・ネバー》で出し入れするカードが無い場合はこれを出し入れする場合がある。cipを再利用しやすいという利点はあれど、3コストのクリーチャーは5コストのコスト踏み倒し呪文で出されることがあるところからもその汎用性の程が窺い知れよう。

2021年7月1日殿堂レギュレーション改訂により【オカルトアンダケイン】が事実上消滅すると【ゼロ・ルピアループ】アドバンス環境のトップに立ち、このカードも初動リソースとして使われるようになった。《困惑の影トラブル・アルケミスト》マナ回収すれば結果的には1マナブーストが1手札補充に変換され、このことからもソリティアの継続率が非常に高いデッキに仕上がっている。

DMBD-18期から少しずつ《秩序の意志》が流行するにつれ、このクリーチャーがコマンドであることが勝敗を分けるようになった。というのも、色の合うコマンドであればたとえ《秩序の意志》で封印されてもこのクリーチャーを出すことで復帰できるためである。

果てはDMBD-19DMBD-20期に、《エンペラー・キリコ》で捲れればハズレになるはずの【青黒緑キリコグラスパー】でも使用実績を作った。《エンペラー・キリコ》濁りを正当化できる点にこのカードのスペックのほどが窺い知れる。徐々にこの型は浸透し、DM22-RP1発売から1ヶ月余りが経過すると入賞数が激増し、【キリコチェイングラスパー】=青黒緑型が暗黙の了解となった。

後に《電脳の女王 アリス/不埒な再侵入》《Disメイデン》など、初動以外にも役立つ3コストクリーチャーが登場してきているが、マナ基盤となる点も考慮され、未だトップにあり続けている。

ただ、アビス・レボリューション環境になるとさすがに元々のデッキカラーを歪めるほどの事例は目立たなくなり、元々色の合うデッキでの採用が中心となりつつある。青黒緑基盤が成熟し、生半可にデッキカラーをゆがめたデッキを組むぐらいなら、最初から青黒緑基盤デッキを使った方が強いという事情もある。

王道篇時点では、青黒緑構築で尚且つ非《巨大設計図》基盤にも拘らずこれを採用しない【アカシック3】も見られる。闇マナがメインデッキの3割程度で闇単色が1割程度と、マナがシビアなのが大きい。

DM23-RP4以降を通して、【青赤マジック】といった環境の高速化で3ターン目に地道なリソースクリーチャーを出すのは下火になっている。
【青黒赤緑邪王門】【青黒緑CRYMAX ジャオウガ】【青黒緑DOOM・ドラゲリオン】《ナウ・オア・ネバー》殿堂入り後流行した【青黒緑アカシック3リペア】などの使用率を追うことでも明らか。

DM24-EX1発売を機に【白黒赤ファイアー・バード】一強環境となると、軽量メタクリ+《キユリのASMラジオ》基盤がそれなりに対抗できたりする。往来のように3ターン目に真面目にコストを支払って《デドダム》召喚する立ち回りの優先度は低いが立ち位置は多少回復した。

S・トリガーなどでガッチリと相手の攻撃を受け止められるのなら3ターン目にもリソースクリーチャーを出す余裕がある。《雷炎翔鎧バルピアレスク》追加ターン《Dの博才 サイバーダイス・ベガス》《テック団の波壊Go!》で徹底的にメタった【赤抜き4色ディスペクター】が真っ当に《天災 デドダム》4枚積みの初動として使うデッキとして【白黒赤ファイアー・バード】環境に一石を投じた。

DM24-RP3期には《ヨビニオン・マルル》から射出するコスト3クリーチャーとして【ビッグマナ】系統で採用されるように。マルル自身のマナブーストと合わせて2ブースト1ドロー2クリーチャーになるため、2→4→7初動が大きく強化された。
また既存の2→4→6初動のデッキではマルルでドローを選べばよいため、そちらにも採用される。
ただ、この用途だとマナカーブ的に出すタイミングが無いのでやっぱり手打ちはあまりされない。

  • 殿堂ゼロデュエルでは「これを出すころにはもうゲームが終わっている」という3ターンキルが当たり前の超高速環境のため評価が非常に低い。一応これが入る【青黒緑CRYMAX ジャオウガ】は豊富なメタカードのおかげで殿堂ゼロ環境に全く通用しないわけではない。

アニメ・漫画において

流通・再録について

  • DMART-07では「出戸環(でど たまき)」というキャラクターに擬人化されている。
  • 新型コロナウイルスの影響で多くのCSが中止したため、CSプロモの流通量が少ない。
  • 《Disジルコン》再録すると前後してこのクリーチャーも再録するのがおなじみとなっている。実際のゲームでもこの2体は相性が良く、多くのデッキがセットで採用した。また、DM23-BD1版のイラストではついに2体が共演を果たした。

その他

  • Wizards of the Coast開発部の射場本正巳によると、「開発部のザックが出した最初のデザインではcipと同様の効果の4コスト呪文であった」とのこと。
    またDMEX-16にてこのカードが再録された際、NWO的スペックの先駆けとして作ったカードと語っている。参考12
  • 3ターン目にカード3枚に触れられる効果は前例が少なく[1]、登場後数年はコスト論の査定も不可能であった。後に《T・T・T》《電脳の女王 アリス/不埒な再侵入》が登場したが、そちらも【スコーラー】を白青赤にするなど多くのデッキカラーに影響を与えている。
  • DM23-RP2版のフレーバーテキストでは時代を先取りしすぎた性能をネタにされている。

関連カード

フレーバーテキスト

収録セット

参考


公式Q&A

  • 能力について

Q.相手の《デュエマの鬼!キクチ師範代》がバトルゾーンにいる状況で、自分の《天災 デドダム》をバトルゾーンに出しました。「出た時」の能力で自分の山札の上から3枚を見て、そのうちの1枚を手札に加えられますか?
類似例:《禁術のカルマ カレイコ》
A.はい、手札に加えられます。見ている3枚のカードのうち1枚を手札に加えて、残りの2枚から1枚をマナゾーンに置こうとした時点で《デュエマの鬼!キクチ師範代》の置換効果が発生します。2枚のカードはゾーン移動を行えず、山札に加えてシャッフルし、処理が終了します。
引用元(2021.7.16)

Q.相手の《飛ベル津バサ「曲通風」》がバトルゾーンにいる状況で、自分の《天災 デドダム》の「出た時」の能力は、どのように処理しますか?
A.3枚見るかわりに山札の上から1枚目を表向きにし、そのカードを手札に加えます。墓地とマナゾーンにはカードを置けません。
引用元(2022.7.28)


[1] マナブースト無しで言えば《ストリーミング・シェイパー》、ブースト込みなら《アクアン》など、存在しないわけではないのだが、その多くは殿堂入り、あるいは殿堂経験のあるカードである。殿堂外でも強いて言えば《シークレット・クロックタワー》《ブレイン・ストーム》が存在するが、これらは直接のアドバンテージを得られず、そもそも送る先が山札の下で活用もしにくかったりと「3枚触った分だけ全て利用する」ような性質のものは少なかった。