《ローズ・キャッスル》
ローズ・キャッスル UC 闇文明 (3) |
城 |
城 |
バトルゾーンにある相手のクリーチャーすべてのパワーは-1000される。(パワー0以下のクリーチャーは破壊される) |
DM-30で登場した闇の城。
相手クリーチャー全てに-1000のパワー低下をかける常在型能力を持った城。
常在型能力で無条件のパワー低下を仕掛ける能力はこのカードが初。たかが-1000と思うかもしれないが、これはパワー1000のクリーチャーが盤面に存在することを許さない、ある種のクリーチャーロックである。
城の特性上対処法が限られているため、運用によってはゲーム中パワー1000のクリーチャーを根絶やしに出来る。
《青銅の鎧》や《解体人形ジェニー》や《天雷の導士アヴァラルド公》などのcip能力メインのウィニーはあらかた射程圏内であり、それらで打点形成するクリーチャーコントロールには絶大な効果を発揮する。
コスト3と軽く、《コッコ・ルピア》などの軽量システムクリーチャーや、種族デッキ等の進化元などに、仕事をされる前に除去が間に合うのも魅力。
《鎧亜の咆哮キリュー・ジルヴェス》や《死神術士デスマーチ》などの一部スピードアタッカーも無力化できる。
特に覚醒編以前はウィニーに打点を頼りがちであり、多くのデッキに突き刺さった。
パワー2000以上のクリーチャーは除去出来ないが、バトルで勝ちやすくなったり、火力に巻き込みやすくなるなどの恩恵がある。
バトルに関しては特にミラーマッチで恩恵が大きく、《不滅の精霊パーフェクト・ギャラクシー》のにらみ合い時などではその差が勝負を分けることもあった。火力に関しても、火文明の除去と組み合わされることはあまりないが、《威牙の幻ハンゾウ》や《威牙忍ヤミノザンジ》の除去範囲を広げられる。
他には《ノーブル・エンフォーサー》で止められる範囲が広がる、《密林の総督ハックル・キリンソーヤ》を《魔光騎聖ブラッディ・シャドウ》や《魔光王機デ・バウラ伯》でブロック出来るようになるなど。
複数枚要塞化すれば効力を増し、2枚張れば《腐敗聖者ベガ》らのサイクルや《氷牙フランツI世》も除去の射程圏となる。
シールドをブレイクされればすぐに効果は消えてしまうが、パワー1000のクリーチャーは除去されてしまうため、ウィニーでのごり押しが効かず見た目よりも割られにくい。同じ戦国編で登場したシノビによってシールドを守りやすくなったのも大きい。
特にウィニーとブロッカーという盤面になりがちな【除去コントロール】や【ナイト】は破るのが困難であり、ただでさえ少ない打点をさらに削るため、フィニッシャーさえ別のカードで除去すれば完封できてしまうことも。
城の特性上ブレイクにこそ弱いものの、ブレイクが出来ない状況なら対処手段は一部シールド焼却やカード指定除去に限られており、その状況を自ら作り出すことが出来る非常に完成度の高い城であるといえる。
最悪返しのターンにブレイクされる展開であったとしても、パワー1000の全体火力として十分な仕事が出来ていれば役割は遂行したといえる。
ブレイクされれば手札は減らずに済み、ブレイクを強要させることで相手のプレイングを歪ませる効果も期待できる。
欠点としてはウィニー主体ではないデッキに役割が持てない事。
【ヘブンズ・ゲート】、《コッコ・ルピア》を採用しない【連ドラ】、ビッグマナなどはもちろん、ウィニーの質が求められる速攻などもパワー1000のクリーチャーは少ないことが多い。
白赤や黒緑の速攻には効果的であることとが多いが、青単や赤緑の速攻にはあまり刺さらないだろう。
またビートダウンなどブレイクに特化したデッキ相手はすぐにシールドを割られてしまうため、単発除去になりがちである。
軽く、小型ブロッカーをすり抜けてくる《密林の総督ハックル・キリンソーヤ》は天敵といえる存在。
軽量除去とはいえ無暗に使っても高いビートダウン耐性は期待できない。
近年ではカードパワーの上昇に伴い、cip能力メインのクリーチャーやシステムクリーチャーのパワーも上がってきている。
覚醒編以降はフィニッシャーも手軽になってきており、ウィニーに頼らずとも打点形成は容易になってきている。
どちらかというとじっくりと盤面構築するデッキによく刺さるカードであったため、環境の高速化は向かい風といえる。
ルール
環境において
登場した戦国編では、フィニッシャーに繋ぐまでのコントロール補助と打点補助のために、《青銅の鎧》や《解体人形ジェニー》などのcip能力を持つウィニーが多用されており、それらを根絶やしに出来る《ローズ・キャッスル》は高い水準を持った除去であった。
《コッコ・ルピア》や《ダーク・ルピア》、《予言者マリエル》、《停滞の影タイム・トリッパー》などこの頃の主要なシステムクリーチャーはいずれもパワー1000であり、《ローズ・キャッスル》の恰好の的であった。
システムクリーチャーを軽量除去として処理しつつ、以降もパワー-1000の働きをし続けるため、ピンポイントで使っても1:1交換以上の働きが期待できる。
バトルゾーンにあるわけではなく、後に登場することとなる「カード指定除去」でもほとんどは城を対象にできない。シールドを守りさえすればゲームのイニシアチブが取れるため、プレイングの幅も広かった。ブロックや殴り返し込みの不利トレードとなるブレイクを強要させたり、ニンジャ・ストライクによって延々と《ローズ・キャッスル》を守りつつ自滅に陥らせることが出来る。
同じノウハウを持つ《不滅の精霊パーフェクト・ギャラクシー》とは共存し容易く、能力面でも運用面でも非常に相性が良かった。
神化編では新たに【黒緑速攻】という仮想敵を得た。戦国編の主流な速攻である赤緑と異なり、《ねじれる者ボーン・スライム》や《死神術士デスマーチ》、《無頼封魔アニマベルギス》など闇のウィニーの多くはパワー1000であり、殿堂入り前の《ダンディ・ナスオ》も根絶やしに出来た。
この頃のトップメタである《大邪眼B・ロマノフ》型の【ヴィルジニアリアニメイト】や【Mロマノフビート】らはいずれも基盤は、戦国編の【白黒緑コントロール】や【ロマノフサイン】と同じく黒緑であり、共通パーツである《青銅の鎧》や《解体人形ジェニー》、《ダンディ・ナスオ》らを焼き続けた。
《エンペラー・キリコ》の進化元となる《黙示賢者ソルハバキ》や《パクリオ》にも少なからず刺さり、【サイバー青単】も2コストサイバーロードや《斬隠テンサイ・ジャニット》のパワーは1000であるため完全に腐ることはなかった。
覚醒編に入るとフィニッシャーの質が大きく向上し、サイキック・クリーチャー単騎によりごり押しが頻発したため、以前ほど脅威となるカードではなくなった。
ただ、5コストの超次元呪文に繋ぐためのウィニーらには相変わらず刺さり続け、《時空の喧嘩屋キル》や《時空の英雄アンタッチャブル》、《時空の踊り子マティーニ》らによるサイキック・クリーチャーのばらまきが可能となってからはそれらの処理手段としても用いられた。
【Mロマノフビート】や【黒緑速攻】も健在であり、まだまだ高い影響力を持っていた。
エピソード2環境終期では《セブンス・タワー》と《ミラクルとミステリーの扉》が殿堂入りし、大型クリーチャーが中心の【ターボゼニス】や【ミラクルとミステリーの扉】といったデッキタイプは弱体化。代わって各種速攻が使われるようになった他、強力なコンボデッキの【メルゲループワンショット】の出現により、それらの対策となりうるこのカードが再び注目されることとなった。
ただ、エピソード2で《希望の親衛隊ファンク》登場後は自然の入るデッキではそちらが優先されるようになった。サイキック・クリーチャーが跋扈する環境では、《希望の親衛隊ファンク》の除去範囲の広さは高いカードパワーと汎用性をもっていた。
環境の中心にいたサイキック・クリーチャーの1体である《勝利のガイアール・カイザー》はスピードアタッカーですぐさま《ローズ・キャッスル》を割りに行けるのに対し、《希望の親衛隊ファンク》は《勝利のガイアール・カイザー》の存在も許さない。
ドラゴン・サーガ環境を支配していた【グレンモルト】の場合、相手のブレイクに乗じて《天真妖精オチャッピィ》のS・バックを利用すれば3ターンに《希望の親衛隊ファンク》を着地させることも十分可能であり、【黒緑速攻】にも十分間に合わせることが出来た。
革命編以降は環境では侵略や革命チェンジの登場により、すぐにウィニーが大型クリーチャーに変化してしまうため、-1000のパワー低下でクリーチャーを破壊できる場面がほぼなかった。
侵略や革命チェンジは自前でコスト踏み倒し能力を持つため、この頃には中つなぎとして《青銅の鎧》や《解体人形ジェニー》らが並べなられる光景はなくなっていた。
ジョーカーズやビートジョッキーなど、新章デュエル・マスターズの新しい支配種族の多くは2000というパワーラインが1つの基準となっているため、やはり腐る場面が目立った。一時期【ジョバンニスコール】や【ゲイル・ヴェスパー】へのメタとして候補に挙がることもあったが、あまりにピンポイントであることから実践レベルには至らなかった。
《希望のジョー星》の登場した十王篇以降ではパワー1000の《ゼロ・ルピア》をキーカードとする【ゼロ・ルピアループ】という仮想敵を得た。相手のパワー1000以下を根絶できるカードのうち、後手3ターン目でプレイが間に合うのはこのカードぐらいである。そのデッキで採用される《桜風妖精ステップル》もパワー1000で即座に破壊され、それ自身のpigによりマナブーストも許さない。
さながら、相手のパワー1000以下に即効性と持続性がある《緊急プレミアム殿堂》かのような動きになる。厳密にはcipなどは許してしまうが、現実的には序盤のパワー1000以下はシステムクリーチャーである、またはcipがあっても《斬斬人形コダマンマ GS》など打点要員で影響は少ない。
可能性自体は着目されていたが、2021年11月のCSで、《ローズ・キャッスル》入り【青魔導具】が結果を残した。
《ゼロ・ルピア》以外にも、パワー1000以下をキーカードとする【青黒退化】≒《死神術士デスマーチ》や、【我我我ブランド】で攻めの起点となる《凶戦士ブレイズ・クロー》や《ブンブン・チュリス》などコスト1が維持できなくなる刺さりを見せたようであり、相手が無理に3ターンキルを狙わずに溜めるプレイングをすることが多かったためこのカードが間に合う場面が目立った。アドバンスでもミラーマッチ対策として入れた型の【青黒退化】が結果を残した。以降いくつかの黒系のコントロールでちらほら採用例が見られる。
【青黒退化】で、退化前に要塞化した《ローズ・キャッスル》のシールドをブレイクできるのは、パワーが1000より大きい《鬼面妖蟲ワーム・ゴワルスキー》、《氷牙レオポル・ディーネ公/エマージェンシー・タイフーン》、《終末の時計 ザ・クロック》、極稀なレアケースで《死神竜凰ドルゲドス》程度しかいない。基本的に《鬼面妖蟲ワーム・ゴワルスキー》も採用枚数は2枚以下で、《レオポル・ディーネ》《クロック》は召喚酔いのスキがある。完全封殺にはならないものの、数ターンに及ぶ回り道を相手に強いるのは間違いない。
【青黒緑退化】と対面した【青黒緑デッドダムド】の視点で言うと、よしんば要塞化されたこのカードをブレイクによって墓地に置くことになっても、豊富な除去手段によってリソース系のクリーチャーなどを出る度に処理することで足掻きを防げる。
《希望のジョー星》の殿堂入り後は【ゼロ・ルピアループ】のソリティアが難しくなったので、《ゼロ・ルピア》が仮想敵から除外され、《死神術士デスマーチ》や赤のウィニーが主要な仮想敵となった。
DMEX-18発売からしばらくした頃にはこれを3枚入れた型の【青黒緑デッドダムド】が流行。《地龍神の魔陣》でのサーチのおかげで4枚積みではなく3枚積みでも安定して最速で要塞化しやすい。
ただし、王来篇環境の速度を考えると、3ターンキルを量産する高速デッキに対しては後手で要塞化できるかというと、それは基本的にS・トリガーやG・ストライクなどのシールドに埋まった防御札次第となるので、過信は禁物。
退化デッキも、デッキカラーが青黒緑になりパワー3000の《天災 デドダム》、《Disジルコン》という殴り手が生まれたため、遅延が狙えるターン数が短くなっている。
その他
- 「薔薇城」と、そのままの意味で呼ばれることがある。(>俗称一覧)
また、ファイアー・バードにはパワー1000が多いため、別名「焼き鳥城」とも呼ばれる。
実際に漫画「SX」番外編では歩亜崎ララが、アニメではT (トト)やザキラが使用し、いずれも勝舞のファイアー・バードを焼き払っている。
一方でこのカードが環境で刺さる場面が減ったことで退場したことが、後に《コッコ・ルピア》の復権にもつながっていたりする。
- 漫画「Duel Masters Rev.」にて、ショップの小学生が未来戦で使用。シールドを要塞化した。また、久しぶりにデュエマをした未来は城という新しいカードに驚愕していた。
ローズ・キャッスル UC 闇文明 (3) |
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相手のクリーチャーすべてのパワーは-1000される。 |
公式Twitterにて公開された、デュエプレ初の城である。DMPP-11で実装。
仕様により、1つのシールドに複数を要塞化できなくなった[1]以外は全くそのままの性能で登場した。
このカードの登場により、パワー1000以下のプレイを実質禁止されることで、【アポロヌス・ドラゲリオン】や【リキッド・ピープル】などが大打撃を受けることとなるだろう。【グレートメカオー】も《月光電人オボロカゲロウ》などが自動的に溶け、《装甲支援ガトリンガー》や進化GVに支障をきたす。
《青銅の鎧》や《解体人形ジェニー》などパワー1000の序盤クリーチャーに頼らなくても様々なデッキが組めるデュエプレ環境では、これ1枚でゲームエンド級の役割を果たすことはできない。
一方、1枚の要塞化でも《魔光ドラム・トレボール》などが根絶される【ナイトコントロール】は苦しくなり、2枚・3枚と要塞化が成功すれば【青赤剣誠】がまともに動けなくなるといった活用法が発見されている。
受けの構築だとブロッカーにパワー1000の《猛菌恐皇ビューティシャン》や《聖鎧亜ジャック・アルカディアス》をよく使うため、これ1枚で大幅に防御力が削がれることも少なくない。
DM-30のアンコモンの城。
関連カード
収録セット
参考