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青銅の鎧 C 自然文明 (3) |
クリーチャー:ビーストフォーク 1000 |
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分の山札の上から1枚目をマナゾーンに置く。 |
基本セット環境から長年使われ続けたマナブーストの王道と言える基本カード。
山札からのマナブーストをしながらクリーチャーが残り、なおかつマナに回す札を減らせるため、1枚のカードから2枚分の純粋なアドバンテージを生み出している。
場に残るクリーチャーなので、ビートダウンなど盤面を重視するデッキでは、マナブーストをこなしながらも展開の起点を担うことができる。
特にカードパワーと引き換えに1枚分余計にカードを食ってしまう進化クリーチャーとは極めて相性がいい。自身が進化元になりつつマナを伸ばせるので、進化元のディスアドバンテージを緩和することができる。また、ビーストフォークは進化による強化が顕著な種族である。
革命チェンジとも相性がよく、マナブーストと種の役割を同時にこなしつつ、cipを再利用できる。
複数枚手札に来てしまいマナブーストカード過多になっても、こまめにだせばカードアドバンテージを稼ぎ続けてくれる。最悪このカードだけでも打点にはなる。
3コストであり、初動としても及第点である。
《ミセス・アクア》や《S級原始 サンマッド》など3コストをキーワードとするカード群とは屈強なシナジーを生み出す。
マナブースト能力を持つカードは多数存在するものの、上記した様々な理由から、非常に扱いやすいユーティリティカードとして幅広く扱われている。
《フェアリー・ライフ》《霞み妖精ジャスミン》《幻緑の双月》などと並び、自然を絡めたデッキならばデッキの起点としての重要な役目を担う。
上記したカードはいずれも1枚の手札をマナに置換するにとどまるため、カードアドバンテージは稼げない。手札が尽きやすいデッキでは、上記らと比べて《青銅の鎧》の価値は極めて高い。また、必ずしも競合するわけではなく一緒に採用されることも多い。
盤面のクリーチャーを利用した戦術とも相性がいい。《バキューム・クロウラー》やマーシャル・タッチでの使いまわしや《邪魂創世》等スーサイドの種などに活用できる。
黎明期に登場してから約17年10ヶ月後、上位互換の《モモダチ モンキッド》が登場。
そして18年と10ヶ月の年月が経った頃、遂に完全上位互換の《無頼 ブロンズ-1》が登場した。
ビーストフォークであることも活躍の場を広げる大きなファクターであり、マナブーストし終わってバトルゾーンに残ったこのカードが「大勇者」へと進化して襲いかかっていくのは、【トリガーターボ】などに代表されるビーストフォークビートダウンの定石となった。
《腐敗無頼トリプルマウス》、《無頼勇騎ウインドアックス》などに繋ぎ、そこからさらに《地獄万力》、《ロスト・ソウル》などに繋ぐ流れの種火となる。この3→5→7の流れは【マナソース】と呼ばれ、古くから扱われてきたDMのブースト戦法の決定版と言っていい。
《母なる大地》や《母なる紋章》の現役時にはコスト踏み倒しの種としてよく使われた。マナブーストと同時にクリーチャーを残す強みが良く表れている一例である。
だが、エピソード2では劇的に採用率が低下した。
《ドンドン吸い込むナウ》の登場により幅広いデッキに4マナ時の動きが確立され、そのマナカーブを取り入れたデッキからことごとく《青銅の鎧》は抜けていった。当時環境でビートダウンとしての役割を担っていた【黒緑超次元】や【ラムダビート】は2→4の動きを重視していたため、《青銅の鎧》が割り込める余地がなかった。また、【ミラクルとミステリーの扉】や【ビッグマナ】など1枚からワンショットするデッキが台頭しており、それらは盤面を必要としなかったのも大きい。
(赤緑【ギフトミランダ】では《天真妖精オチャッピィ》と分担しながらも幅広く採用され、一応【ラムダビート】でも相性自体の良さと安定化から採用される例は多かった)
それ以前のエピソード1辺りからも、能力が強制でソリティアの際に不都合が生じることから【Nエクス】でも不採用が目立っていた。
登場から10年以上経ったエピソード3のDMX-15で遂に同型再販となる《正々堂々 ホルモン》が登場した。種族がアウトレイジMAXに変わったことで使い分けが可能となり、8枚体制や、墳墓避けができるようになった。以降も同型再販や類似カードが登場している。詳細は下記の関連カードを参照。
ドラゴン・サーガ・革命編に突入すると、《銀河大剣 ガイハート》等中型のパワーカードが一気に増えテンポアドバンテージが重視される環境に変化。文明指定型に変貌しながら爆発的に増えた進化クリーチャーやそれに伴う侵略、革命チェンジの登場により、盤面もより重視されるようになった。だが、単色押しのドラゴン・サーガ環境での緑単では《青銅の面 ナム=ダエッド》、多色押しの革命ファイナル環境では《風の1号 ハムカツマン》などが登場し、それらと競合したことで必然的に活躍の場を減らしていった。
新章デュエル・マスターズ環境ではインフレによりゲームが高速化し、軽量クリーチャーの質が向上したことで、3ターン目を初動としパワー1000のウィニーが残るだけのこのカードはめっきり見かけなくなってしまった。しかも、新章以降はビーストフォークの種族プッシュが終わったため、なおさらである。
それでも超天篇環境では、「DMGP-9th」ベスト32に残った【青赤緑ミッツァイル】に2枚投入されており、マナを伸ばしつつクリーチャーを残すカードの取り回しの良さは完全に忘れ去られた訳ではないことを証明した。
しかし、その後《BAKUOOON・ミッツァイル》が殿堂入りした上に、その後の環境で《グレープ・ダール》などのマッハファイターの的になることで、クリーチャーが残る点が逆にデメリットになってしまうことも増えた。十王篇では能力の数で上位互換な《モモダチ モンキッド》、王来篇ではササゲール抜きでも種族の数で上位互換な《無頼 ブロンズ-1》が登場したため、いよいよこのカードも5枚目以降扱いとなってしまった。加えて、王来篇環境では多色デッキが流行したため、色が増えた分より強力なリソースを得られる《天災 デドダム》や《Disゾロスター》に枠を譲ることが増えた。
DMEX-15期には《青銅の鎧》を4枚入れた赤緑タッチ白の【ドギラゴン閃】がチャンピオンシップ準優勝を果たして話題になった。種族を全く生かしておらず、《青銅の鎧》の相互互換・上位互換が0枚な、「墳墓避けなどが考慮されていないデッキ」とはいえ、クリーチャーが残るメリットが再認識される結果となっただろう。