終末の時計(ラグナロク) ザ・クロック》

終末の時計 ザ・クロック R 水文明 (3)
クリーチャー:アウトレイジMAX 3000
S・トリガー
このクリーチャーが出た時、ターンの残りをとばす。

優勝者賞として先行登場し、DMR-09に収録されたアウトレイジMAX

ターンの残りをとばす能力を持った初のカード。

その性質上、自分のターンに出すメリットは薄く、S・トリガーで相手ターン中に出すことが基本の運用となる。相手ターンに出してcip解決されれば、その時点でターンが終わるため、相手はもう攻撃を行えなくなる。

強制的にターンが移るため、S・トリガーで出た場合相手がこのクリーチャーを即座に処理することはほぼ不可能と言って良い。確実に自分のターンに持ち越せるため、そこから進化《無重力 ナイン》G・ゼロの起点にしやすいのは大きな利点。

また、生き残った《ザ・クロック》を《守護聖天タテブエ・ヤッホー》等で繰り返しシールドに追加してやれば、シールド焼却を持たないデッキは勝ち筋を大きく縛られることになる。

S・トリガーなので《アクア・スーパーエメラル》等でシールドに仕込みたいところ。自身も殴れるので、ビートダウンデッキにも入れやすい。また、相手ターンクリーチャーを出せる《地獄門デス・ゲート》《緊急再誕》等とも相性が良い。このクリーチャーは軽く、比較的コスト踏み倒しは容易であるところが嬉しい。

防御用S・トリガーの選択肢としては《スーパー・スパーク》《スローリー・チェーン》がある。文明を度外視したら、ターンの残りをとばす効果は防御性能としてそれらを上回っている。
前者であれば《超戦龍覇 モルト NEXT》のような遅延誘発型タイプの2回攻撃キリフダッシュ《龍装者 バルチュリス》などの着地は防げず、後者であれば攻撃制限を無効化するダイヤモンド状態には無意味。《終末の時計 ザ・クロック》はそれらをすべて対策できる。

呪文ではないため《闇鎧亜クイーン・アルカディアス》《光神龍スペル・デル・フィン》などの妨害を受けないのも強力。【シノビドルゲーザ】などの《音精 ラフルル》といった呪文封殺からの一斉攻撃を得意とするデッキに対しては耐性があると言えるだろう。

防御性能以外では劣る部分もある。《スローリー・チェーン》のように自分のターン空撃ちして仕込んだり、各種スパークのように反撃として自分のターンに撃つことができないところである。
自分ターン攻撃中に、相手のS・トリガーによる《リアルとデスの大逆転》《父なる大地》によって強制的に出され、逆に自分の勢いが止められる友情コンボもある。

自分のターン中に使いづらいというのは大きな弱点。あくまで使いづらいだけで全く使えないわけではなく、むしろ有効活用する例もある。「ゲームにおいて」の見出しを参照。

《暴走龍 5000GT》《ボルシャック・クロス・NEX》を出されると召喚扱いのS・トリガー宣言と着地ができなくなるため注意。これらの場合は召喚ではないコスト踏み倒しなら出すことはできるが、《龍世界 ドラゴ大王》のように出ることそのものを封じられたり、《界王類絶対目 ワルド・ブラッキオ》で出てもcipそのものを封じられると働かなくなってしまう。相性のいい呪文との併用が望ましいと言えよう。

実装時から飛躍的にカードパワーがインフレした現在においても通用する、かつ類似カードが刷れないほどの無法な強さを持つ。
1ターンを凌ぐためのS・トリガー獣には《閃光の守護者ホーリー》があれど、オールタップ内蔵は複数体登場済みだが、ターンの残りをとばす内蔵は開発中の《終止の時計 ザ・ミュート》で試したが強すぎたから変更したという逸話がある。

総じて強力だが癖の強いクリーチャーであり、相手に利用されないように運用したい。

ゲームにおいて

  • 折角1ターンを凌いでも稼いだターンを有効活用できなければ意味がない。基本的にはビートダウンデッキや高速コンボデッキなど、返しのターン中にフィニッシュする見通しが立ちやすいデッキでの活躍に限られる。

環境において

登場当初から原則として1ターンを確実に凌げるS・トリガー獣として水の入るデッキには広く使われた。エピソード3環境のトップメタである【シューゲイザーワンショット】は一度に大量の打点を生み出すワンショットデッキであり、除去トリガーでは手遅れになる場面が多々あったためこのカードやスパーク系呪文が重用されていた。
一方で、当時猛威を奮っていた《勝利宣言 鬼丸「覇」》追加ターンを止められないことやS・トリガーで捲れた時以外の弱さは明確な課題でもあった。

革命編以降は【レッドゾーン】などに代表されるようにビートダウンが激化しており、1ターンを凌げるかどうかが勝負を左右することがざらになった。当時は手軽で広汎なカウンター封じがあまりなかったため、このカード次第で勝負が決まる対戦を「運ゲー」と非難する者も少なくなかった。そうなってしまった背景としては、色の合わない【赤単レッドゾーン】にただ4枚のカードとして使われることが多かった。速度で対抗するデッキに対してその速度を否定するカウンター札として機能していたのである。
当時【イメンループ】では《天真妖精オチャッピィ》などのS・バック《光牙忍ハヤブサマル》などのニンジャ・ストライクと《邪帝遺跡 ボアロパゴス》を組み合わせることで狙って《終末の時計 ザ・クロック》を呼び出すコンボが行われた。極論《フェアリー・ギフト》でもあれば4ターン目には《邪帝遺跡 ボアロパゴス》を龍解させることができたこともあって、【イメンループ】【レッドゾーン】に対して強固であった。

このカードは環境でよく使われるため、水が入るデッキと対峙した場合はビートダウンコントロール関係なくほとんどが警戒される。双極篇以降の環境では1ショットキルを決めに行く時に《「本日のラッキーナンバー!」》で3を宣言して封じられることがよくある。

超天篇環境になると《禁断機関 VV-8》《次元の嵐 スコーラー》《月下卍壊 ガ・リュミーズ 卍》などの手軽な追加ターン獲得手段が再び環境に進出し、このカードもエピソード3環境と同じように腐る場面がそこそこ目立つようになった。そのため、コンセプトの合う【クラッシュ“覇道”】ですら全抜きする型が偶に見られるようになった。前述の《「本日のラッキーナンバー!」》のようなカウンター封じが多くなり、双極篇環境以降汎用性重視の風潮が続くのも大きい。

また、同時期にターン飛ばしを行える呪文として《ルシファー》が登場。
それぞれ単色or多色、クリーチャーor呪文といった違いがあるので、何とか差別化しよう。

2020年1月1日に《「本日のラッキーナンバー!」》が殿堂入りするも、直後に環境トップに立った【ドッカンデイヤー】はループでの勝利が可能なためそもそもS・トリガー自体が意味をなさず、【バーンメアジョーカーズ】に対しても《ジェイ-SHOCKER》で封じられることがあるためか、活躍の機会に恵まれない状況は依然続いていた。

王来篇環境に入ると新たな採用先である【赤青ヴァイカー覇道】がトップメタの一角となり、ブレイクせずに勝つデッキがあまり環境に存在しなくなったため、そちらへのメタカードである《とこしえの超人》が登場した後もしばらくは使われたが、環境が低速化して必要性が薄れ、中速ビートダウンですらフルパワー理論を重視するようになるにつれて色の合うデッキにも入りにくくなった。具体的には、DMRP-18期に《赤い稲妻 テスタ・ロッサ》を獲得した【白青赤鬼羅.Star】、同期に《アルカディアス・モモキング》を獲得した【青赤緑ドギラゴン閃】にその傾向が認められる。2021年7月1日殿堂レギュレーション改訂まで暴れ散らした【オカルトアンダケイン】や、その後釜に就いた【ゼロ・ルピアループ】などのこのカードを腐らせるデッキが幅を利かせているというのもある。それからしばらくして登場した《流星のガイアッシュ・カイザー》の疑似侵略ZEROと相性が悪いというのもある。

2022年始から【白青赤鬼羅.Star】において《ナゾの光・リリアング》《緊急再誕》のセットが流行。《緊急再誕》《ナゾの光・リリアング》経由で《T・T・T》タッパーとして使うことができ、S・トリガーとして《緊急再誕》を捲ればこのような防御札になる。そうして【白青赤鬼羅.Star】において防御S・トリガーを重視する風潮が漂い、このカードも需要が回復した。王来篇もシリーズ終盤になると【青黒退化】/【青黒緑退化】が隆盛し、またもやよく見かけるカードとなった。

王来MAX環境では【白青黒退化】を中心に使われたが、水系のビートダウンの多くがドラゴン基盤であったため、ドラゴンではないという点からそうしたデッキにおいては需要が無かった。

【絶望神サガループ】が環境に進出するとそちらでも使われるようになった。S・トリガー《「迷いはない。俺の成すことは決まった」》を唱えることで相手ターン中に《絶望神サガ》のループを開始することもできるが、無限墓地肥やしをしてから《蒼狼の大王 イザナギテラス》で2枚目の《「迷いはない。俺の成すことは決まった」》を唱えてこちらを呼び出すという手もある。その機構のある型の場合は敢えて1枚積みに留めることも多い。

【絶望神サガループ】消滅後はしばらく、青赤白青赤の基盤での活躍を主体としていた。【青黒COMPLEXコントロール】が登場すると、そちらの定番パーツとなった。

《ウィリデ・ゴル・ゲルス》環境進出後はそちらで相手のターンに出せることから【白単ウイング】タッチされるようになった。白青型の場合は《アストラル・リーフ》とその進化元を召喚するためのマナ基盤としても有用だった。

メディアでの活躍

  • アニメ『VS』では第34話で孔明がデュエマ甲子園初戦の切札 勝太戦で使用。
    この時CGがあるにもかかわらずセル作画で登場した。

戦績

アニメ「デュエル・マスターズ ビクトリーV3」

  • 通算戦績:1戦0勝1敗
    話数対戦相手勝敗
    11話切札 勝太敗北

カードイラストについて

  • カード名の通り、体が時計になっている。指している時刻は2時48分である。
  • 2020年1月19日開催のWHFにて行われたDMEX-08先行販売にて、DMEX-081BOXを購入すると、このカードのアルトアート版が貰えた。
    クロックの顔がCMでタイアップした松崎しげる氏の顔にすり替わっており、更にカード全面が黒光り仕様となっている。
  • DMSD-16版では、半壊した時計の姿をしたチーム零と思しきクリーチャーが共に描かれている。

フレーバーテキストについて

  • MODE→CHANGEフレーバーテキストは「終り」になっている。
    原則的には「終わり」が正しいのだが、許容として「終り」も認められているので間違いではない。
  • 一人称の揺れが激しく、「俺」「私」「我」と3種類も存在する。もっとも、この3枚は収録された時期が大きく異なるため、別人の可能性もあるが。

再録について

その他

  • 『デュエル・マスターズ 超全集E3』のカード解説では「歴史的快挙」とまでその防御性能を称えられている。
  • 「ラグナロク」とは北欧神話における終末の日のこと。続くはずだったターンを終わらせるこのクリーチャーに相応しい二つ名と言える。

デュエル・マスターズ プレイスでは

終末の時計 ザ・クロック VR 水文明 (3)
クリーチャー:アウトレイジMAX 3000
S・トリガー
バトルゾーンに出た時、ターンの残りをとばす。

DMPP-20で実装。レアリティベリーレアになった。

  • 「時よ止まれ」「時は動き出す」というボイスがあるが、これはジョジョの奇妙な冒険の登場人物の発言と完全に一致する。デュエマにはジョジョネタは複数あるため狙ったものだろう。
  • DMPB-04版では新規イラストでマジシャン風衣装のカイトが共に描かれており、ボイスも彼が担当している。カイトが《ザ・クロック》にお姫様抱っこされているように錯覚しかねない構図となっている
  • SPルールマッチ第3回ヒラメキ・デュエルでは使用禁止カードに指定された。恐らく気軽にターンの残りをとばす能力をありにしてしまうと、ターンの終わりにクリーチャーを変身させるタイミングを逃すため、このルールの醍醐味が薄れてしまうからと思われる。

環境において

  • DMPP-26では【レッドゾーン】にて高速〜中速ビートダウンにおける保険として需要を伸ばした。
    この弾では《閃光の守護者ホーリー》が登場しており防御札の役割は好みの選択となるが、白赤にしながら《制御の翼 オリオティス》を投入しないという選択は理にかなっていないせいで、結果として40枚デッキに定石では11枚前後光文明のノイズ(=マナ基盤)を入れる羽目になってしまう。青赤だと40枚デッキの1〜4枚だけ水文明の《終末の時計 ザ・クロック》にするとか、《ドンドン吸い込むナウ》と合わせて合計8枚だけタッチ青にするといった構築ができる利点があり、中期以降は《クロック》入り【青赤レッドゾーン】の人気が上がっている。

関連カード

フレーバーテキスト

収録セット

デュエル・マスターズ

デュエル・マスターズ プレイス

参考


公式Q&A

  • 能力について

Q.《終末の時計 ザ・クロック》が出た時、ターンの終わりに実施されるべき能力や効果を、実行することはできますか?
A.いいえ、ターンの残りをとばすということは、そのターン何もできないということです。
引用元(過去のよくある質問より)

+  類似裁定(2019.7.2)
+  類似裁定(2020.12.15)

Q.「このターン、自分のクリーチャー1体のパワーは+1000される」という呪文を唱えました。その後で《終末の時計 ザ・クロック》によって「ターンの残りをとばす」ことになった場合、そのクリーチャーの+1000パワーはゲームが終わるまで続くということですか?
A.いいえ、「ターンの残りをとばす」ということはターンが終わるということなので、その呪文の効果もその時点で終わります。
引用元(過去のよくある質問より)

Q.攻撃中に、《終末の時計 ザ・クロック》をバトルゾーンに出した場合、どうなりますか?
A.攻撃はその場で中止され、ターンの残りはとばすことになります。攻撃しているクリーチャーはアンタップされず、シールドをブレイクすることもなく、バトルは行われません。
引用元(過去のよくある質問より)

Q.何らかの効果で《終末の時計 ザ・クロック》が2体同時に出ました。どうなりますか?
A.1体目のクロックの効果でターンが飛ばされると全ての効果は飛ばされるので、2体目のクロックの効果は何もしません。
引用元(過去のよくある質問より)

Q.「W・ブレイカー」を持つクリーチャーにブレイクされたシールドが《終末の時計 ザ・クロック》《ドンドン吹雪くナウ》だったので、それら2枚の「S・トリガー」の使用を宣言しました。
先に《終末の時計 ザ・クロック》をバトルゾーンに出した場合、その「出た時」の能力と《ドンドン吹雪くナウ》はどちらから解決しますか?
A.「S・トリガー」で宣言していた《ドンドン吹雪くナウ》を先に解決します。クリーチャーは召喚することまでが「S・トリガー」能力で、バトルゾーンに出た時にトリガーする能力は一度待機状態になります。複数の効果が同時に存在する場合、常に 「S・トリガー」の効果を優先して処理します。

+  総合ルール 112.3a

引用元(2020.9.11)

Q.相手のターン中、相手の《凶鬼卍号 メラヴォルガル》の「出た時」の能力で自分のシールドが2つブレイクされた際、その中に《終末の時計 ザ・クロック》がありました。《凶鬼卍号 メラヴォルガル》の効果処理の途中ですが、この《終末の時計 ザ・クロック》の「S・トリガー」を使う場合、召喚するのはどのタイミングですか?
A.《凶鬼卍号 メラヴォルガル》の効果で、相手が自身のシールドを2つブレイクする前に《終末の時計 ザ・クロック》を召喚します。
「S・トリガー」は他の効果より優先して解決されるので、《凶鬼卍号 メラヴォルガル》の効果中ですが、割り込んで解決を行います。
クリーチャーの「S・トリガー」は召喚するところまで処理を行うので、《終末の時計 ザ・クロック》を召喚した後、《凶鬼卍号 メラヴォルガル》の効果処理の続きを行い、それが終わったら《終末の時計 ザ・クロック》の「出た時」の能力を解決します。

+  総合ルール 101.4.

引用元(2022.2.18)