【黒単アビスロイヤル】

概要

墓地に貯めたアビス《アビスベル=ジャシン帝》で一気に墓地からアビスラッシュで大量に展開する【速攻】デッキ。
DM22-RP1《アビスベル=ジャシン帝》などのアビスロイヤルが展開されてからcsなどで少しずつ結果を残している。

未開拓な部分も多く、シビルカウントマナ武装ほど単色縛りを要求しないため、研究次第では黒単ではない形へと変貌を遂げる可能性もある。>>【赤黒テレスコ=テレス】【黒緑アビスロイヤル】など

以下では、《アビスベル=ジャシン帝》を最速・準最速で出すパーツと、残りをアタッカーアビスや受け札、妨害札で固めた純正型を記述する。

アビスベル=ジャシン帝 OR 闇文明 (4)
クリーチャー:アビスロイヤル 7000
ブロッカー
W・ブレイカー
自分の墓地にあるアビス・クリーチャーに「アビスラッシュ」を与える。(「アビスラッシュ」を持つクリーチャーを自分の墓地から召喚してもよい。そうしたら、このターン、そのクリーチャーはプレイヤーを攻撃でき、ターンの終わりに山札の下に置かれる)
このクリーチャーが離れる時、かわりに自分の手札を2枚捨ててもよい。
自分の墓地にあるクリーチャーの召喚コストを2少なくする。ただし、コストは0以下にはならない。

主要カード

《アビスベル=ジャシン帝》墓地アビスクリーチャーアビスラッシュ付与し、
離れるかわりに手札を2枚捨てることができるブロッカー
フシギバースムゲンクライムを含む墓地召喚を2コスト軽減
《邪龍 ジャブラッド》コスト3初動。cipアビス攻撃時に2枚墓地肥やし
自分のアビスすべてに墓地のカード4枚を山札の下に送ることを条件とした置換効果除去耐性を与えるタマシード/クリーチャー
《邪侵入》シビルカウント2でS・トリガー化。
墓地肥やしに加えて1ターン早く《ジャシン帝》を出せる
《ハンマ=ダンマ》S・トリガー獣cipで3枚墓地肥やしと、
墓地の枚数未満のコストの相手1体を破壊
《ブルーム=プルーフ》コスト2初動。cipで1枚墓地肥やし
相手のターン中限定で、召喚せず出た相手のクリーチャーを破壊するコスト踏み倒しメタ
《深淵の壊炉 マーダン=ロウ》cipクリーチャー限定でピーピングハンデスする。
シビルカウント3で攻撃時で相手の墓地にあるカードのcipを1つ使えるスレイヤー
《漆黒の深淵 ジャシン帝》タマシード/クリーチャーcipで1枚墓地肥やし墓地の枚数以下のコストの相手1体を破壊
攻撃時で6以下1体リアニメイト
《ド:ノラテップ》スレイヤー アビスコスト軽減
《悪灯 トーチ=トートロット》S・トリガー獣攻撃の後自壊するブロッカー
cipパワーが最小の相手1体への選ばせ除去に加えて、
シビルカウント3でパワーが最大の相手1体に選ばせ除去

アビス

《ベル=ゲルエール》コスト2初動。アビスラッシュ&cipで2枚墓地肥やし
《フォーク=フォック》コスト3初動。3枚墓地肥やしアビス1枚をサルベージ
《スプーン=ンプス》2ターン目の行動候補。アビスラッシュ&シールド回収
手札補充《秩序の意志》の起動要員に
《レター=ジェンゲガー》3ターン目の行動候補。自分のターン終わり墓地肥やし
それがアビスなら手札補充するブロッカー
《深淵の三咆哮 バウワウジャ》タマシード/クリーチャーcipで4枚墓地肥やし
自分のターン中このタマシード破壊以外で離れない
ブロッカー&T・ブレイカー攻撃時に相手1体を破壊
《深淵からの復活 ジャシン帝》シンプルなアビスラッシュ&W・ブレイカー
《深淵の支配者 ジャシン》タマシード/クリーチャー
ターンのはじめにそれぞれ任意で1枚墓地肥やしと、
コスト3以下を1体かタマシード1枚をリアニメイト
《ブック=ラギルップ》シビルカウント3で攻撃時に1枚ランダムハンデス
《ナイフ=アライフ》相手全体に-2000のパワー低下を放つ。
さらに各ターン最初の破壊に反応して1ドロー。
《こたつむり》などメタクリーチャーを溶かしたい。
《セリヴィエット=エリー》cipでお互い1枚づつセルフハンデス アビス版ササゲール2
《グ:ルナグーシ》cipと自分のターン開始ステップ墓地が5枚になるよう墓地肥やし
自分のターン限定で、ターンはじめて自分の墓地からカードが離れた時にドロー
《フットレス=トレース/「力が欲しいか?」》ターン終了ステップ墓地肥やし任意で闇のカード墓地回収を行うブロッカー/アビスメクレイド5
《深淵の文暴具 ケシカス=カース》cip墓地肥やし墓地リセット
《ノラディ:ド:スルーザ》cipハンデス&攻撃時で墓地加速か山札回復&アビスメクレイド8
《撞仇 ビリヤード=ヤドロンド》ジャシンのコスト軽減で1コストの3打点
《邪招待》相手のコスト4以下のエレメント山札下送り
《サーイ=サイクル》自分のターンの初めにシールド回収&墓地加速
《ヨービリン=リリン/「……誰を呼びたい?」》クリーチャー破壊時、1ドロー/相手のクリーチャーを1体パワーを-6000

アビス(コスト5以上)

《アビスベル=ジャシン帝》の効果込みでも最低3コスト以上はかかるため、《ジャシン帝》を複数体立てる、自前のコスト軽減を利用、メクレイドで出す等、使用するには一工夫が必要。

《テブル=ザザーム》アビスラッシュ&W・ブレイカー
手札を1枚捨てて自身を3コスト軽減できる。
更なるアビスラッシュ先の調達もこなせる
《シャンデリア=ベリア》アビスラッシュ&W・ブレイカー
やや重いがcip離れた時相手1体に-4000のパワー低下
《暗刻 クロック=クロニクル》アビスラッシュ&W・ブレイカー攻撃時に3枚ランダムハンデス
自分のアビスは相手の呪文では離れない
《ジャシン帝》が複数ないと出しづらい重さは玉に瑕
《悪縁 ガクブッチ=リッチーモア》シビルカウント5で攻撃時オールハンデスを放つアビスラッシュ持ちW・ブレイカー
スレイヤーブロッカーcipで闇のカードを2枚まで墓地回収
《ソー=ゾー》味方1体を破壊して1マナで召喚できるブロッカー
《アンダケイン》、《ドルマークス》と組み合わせて疑似【アンダケインドルマークス】が可能
《スパトー:ド:スパトゥー/邪暴乱舞》アビスラッシュ持ちW・ブレイカー。離れた時にアビス・メクレイド8
/6マナでアビス・メクレイド8と2枚墓地肥やしを同時に行うアビスへの誘い
《ドアノッカ=ノアドッカ/「…開けるか?」》cipで-4000のパワー低下を2回行うS・トリガー獣/2マナで-4000のパワー低下
《謀遠 テレスコ=テレス》相手のターンの初めにハンデス&ハンデスに反応してドロー
《邪闘 シス》アビスラッシュ持ちW・ブレイカーcipで敵獣1体に-∞ものパワー低下を放ち、攻撃時にアビス・W・メクレイド5
《ラーテ:ガ:フヨーキ》召喚時cipでアビス・W・メクレイド8を行い、アビスを全員スレイヤー化。
素の状態ではコスト9と非常に重いが、召喚する時に自軍2体破壊で3コスト軽減
《深淵の螺穿 ラゼル=ズバイラル》ブロッカー&W・ブレイカー。登場時、タップ時、離れた時に
オールハンデス or 敵獣全破壊 or マナアンタップ制限 or シールド2枚ブレイクの4種から2つ選び、
さらに相手にその2つの中から1つ選ばせてその効果を使用する
《深淵の襲傘 アンブレラ=イザベラ》cipまたは攻撃時に相手エレメントを1つ破壊してそのコスト分任意で墓地肥やし
もしくは自分の墓地を13枚山札に戻し、相手の手札とバトルゾーンのカードも13枚山札送りにする
《邪幽 ジャガイスト》ブロッカー cipで2ディスカードするとアビス・メクレイド5
ターン1で山札からコスト踏み倒しした時そのコスト以下のアビスを擬似アビスラッシュ
《フォック=ザ=ダーティ》多色だが革命チェンジで踏み倒せる
登場時に墓地肥やししつつマナ加速 or 手札補充

アビス以外

《絶望と反魂と滅殺の決断》除去ハンデスリアニメイトを1枚でこなす。
チャージャーなしだと5ターン目からしか唱えられない
《Re:奪取 ブラッドレイン》GSクリーチャーコスト軽減
《ジャシン帝》の早出しとシビルカウントを狙う。
《ド:ノラテップ》登場以降は、あちらが優先して採用されるようになった
《星空に浮かぶニンギョ》GSマナブースト墓地送り置換
マナ送りによる除去墓地肥やしにできる
《冥界の不死帝 ブルース/「迷いはない。俺の成すことは決まった」》2ターン目から毎ターン墓地肥やしができる疑似置物。終盤はパワー13000のT・ブレイカーと化す
/《ジャブラッド》や《エリー》等を蘇生できるS・トリガー
《無慈悲な取り立て》確定除去&自己シールド焼却でささやかな墓地肥やし
このデッキに刺さる多くのメタクリーチャーに対処可能
《シャーロール・ドイル》墓地利用メタ対策。《若き大長老 アプル》基準
《罪無 メリゴ垓》墓地利用メタ対策。《とこしえの超人》基準
《ザンジ変怪》S・バックcipで相手1体に-4000のパワー低下
《秩序の意志》S・バック封印&間接的な墓地肥やし
《龍頭星雲人/零誕祭》墓地カードを参照してコスト軽減
cip攻撃時に2枚ハンデス/除去札
《龍装鬼 オブザ08号/終焉の開闢》墓地クリーチャーを参照してコスト軽減
cipパワー低下/墓地肥やし墓地回収
《撃髄医 スパイナー》S・トリガー獣。-3000のパワー低下を3回放つ。
スーパー・ボーナスコスト4以下を好きな数蘇生
《シラズ死鬼の封》除去は持たないが対象が安定したカウンター
《ヴィオラの黒像》確定除去&そのコストを基準に1体リアニメイト
呪文ロッククリーチャーへのロックが効かない
《不敵怪人アンダケイン》フシギバースによる墓地召喚に《ジャシン帝》のコスト軽減が乗る。
cipでコスト4以下を1体リアニメイト殿堂入り
アビスクリーチャーを多用する場合に
《腐敗勇騎ドルマークス》cipで両プレイヤーの場とマナを1枚ずつ破壊。
《ソー=ゾー》・《アンダケイン》と合わせて毎ターンランデスを仕掛ける。
《学校男》軽量の選ばせ除去スーサイドアビス墓地送り
DM22-SD1【青黒緑ハンデス有象夢造】など
《深淵の支配者 ジャシン》軸の方が向いているか
《堕魔 ドゥポイズ》
《コオニ弁天》同上だが、ACEクリーチャーを常に選べてしまうので注意
《学校男/ゾンビ・カーニバル》スーサイドによる墓地肥やし選ばせ除去/1種族墓地回収
《鬼ヶ邪王 ジャオウガ・ゼロ》ワンショット補助要員。墓地の条件さえ整えば0マナスピードアタッカー付与
《フェルナンド・ソシュール/プライマル・スクリーム》呪文面で墓地肥やし墓地回収
《終断γ ドルブロ/ボーンおどり・チャージャー》逆スレイヤー持ちのS・トリガー獣ブロッカー/
2枚墓地肥やし付きのチャージャー
《九番目の旧王》【我我我ブランド】などウィニー対策
《サイバー・K・ウォズレック/ウォズレックの審問》いずれかの墓地からコスト3以下の呪文を最大2枚踏み倒しするコマンド/コスト3以下のカードをピーピングハンデス
《ノクターン・ドラグーン》カード名を指定し、相手の手札からそのカードを全てピーピングハンデス
《極閃呪文「バリスパーク」》は合わないが【青黒緑ジャオウガ】【アポロヌス】【黒緑アビス】【青赤マジック】など多くの環境デッキに有効

闇以外

このデッキの回し方

2ターン目は《ベル=ゲルエール》で墓地を整えつつ、3ターン目に《フォーク=フォック》や《レター=ジェンゲガー》で《ジャシン帝》を調達。
《邪侵入》等も駆使し、《アビスベル=ジャシン帝》を着地させ、貯めた墓地からアビスラッシュで一気にアビスロイヤルを展開する。
ワンショット時には、《ジャシン帝》をアビスラッシュすることで、更なるコスト軽減を図りつつ、除去に耐性を持ったクリーチャーが増やせる。

《ジャシン帝》を出せなかった場合は、溜まった墓地を利用して《龍頭星雲人》等でハンデスを決めつつビートダウンを狙う。

長所

回転の速いデッキでもあるが、従来の速攻デッキにあるまじき防御性能も兼ね備える。

《邪侵入》での踏み倒し以外は墓地から召喚して出すため、召喚以外の方法をメタる《異端流し オニカマス》《赤い稲妻 テスタ・ロッサ》等はほぼ効かない。
名目コストが高いクリーチャーも《テブル=ザザーム》ぐらいで、《ベイB セガーレ》《奇石 ミクセル》も怖くない。

一度《アビスベル=ジャシン帝》が着地すると軽減能力とアビスラッシュ付与により4~5マナ帯でも凄まじい数のアタッカーが並ぶ。
またW・ブレイカーT・ブレイカーも多く並ぶため、多少のシールド追加やG・ストライク程度では簡単に止められない。
こうなると速攻《烈火大聖 ソンクン》1体程度では打点やブロッカーは捌き切れない。

アビスには墓地肥やし能力を持つ者が多く、《ベル=ゲルエール》《フォーク=フォック》等をアビスラッシュで出すと増やした墓地から連鎖的にアビスを展開し、文字通りのラッシュを掛ける事が可能。特にこの2体は《ジャシン帝》存在下では僅か1コストで墓地召喚しつつ墓地を2枚以上増やす即攻要員という狂気じみたスペックへと変貌する。後者に至っては《ジャシン帝》の除去耐性に必要な手札まで補充できる。
また《テブル=ザザーム》も手札のアビスを墓地へ落としつつコスト3に軽減されるW・ブレイカーと小回りが利く上に破格の性能を持つ。無論《ジャシン帝》存在下では実質コスト1であり、アビスラッシュ時に手札に居る自身を落とす事で大連鎖&打点激増へと繋がる。

主なフィニッシャーである《アビスベル=ジャシン帝》《深淵の三咆哮 バウワウジャ》がどちらも除去耐性を持つ。前者は手札2枚を犠牲にする必要があるものの、言い換えれば手札のアビスが墓地に落ちてしまうため相手にとっては非常に対処し辛い事この上ない。
後者は自分のターン中限定だが破壊以外の除去を一切受け付けない。《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》等を恐れずにシールドを割りに行ける他、カウンターで現れた敵獣もATで破壊してしまえる。またアビスラッシュで出した場合もターン終了時に山札へ戻る事もない。
さらに、仮に止められたとしてもこの2体はブロッカーも兼ね備えている。

《邪侵入》は3コストで《アビスベル=ジャシン帝》を出せる他、一度の使用で4枚もの墓地肥やしが可能。仮に《ジャシン帝》がヒットしなかった場合も《バウワウジャ》や《ハンマ=ダンマ》等の更なる墓地肥やし可能なアビスを蘇生させる事で大量の墓地を獲得し、《龍頭星雲人》《龍装鬼 オブザ08号》のコスト軽減に繋げられる。

速攻デッキでありながら《ジャシン帝》や《バウワウジャ》といったブロッカー《ハンマ=ダンマ》《零誕祭》といったS・トリガー等防御札が多く結構な受けの堅さもあるため、【我我我ブランド】等他の速攻との殴り合いでも有利。特にブロッカーS・トリガー、最大2体への選ばせ除去の全てを兼ね備える《悪灯 トーチ=トートロット》の存在により【赤青アポロヌス】でさえも軽く止めてしまう事すらある。
また《龍頭星雲人》ハンデスの採用も可能であるため、多少のロングゲームにも全く動じない。

短所

《とこしえの超人》《若き大長老 アプル》1枚で動きが止まってしまう。仮に先手を取られた時、2ターン目でこのメタクリーチャーを出されるとほぼ詰みになってしまうため、《龍装鬼 オブザ08号》等除去手段は必須となる。
一応《ハンマ=ダンマ》の射程に確定で収まるものの、テンポが大きく損なわれるのは速攻デッキとしては致命的なのでなるべく軽いコストで除去したいところ。
また《闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー/お清めシャラップ》などでも動きは止まるため、よくある墓地利用メタでテンポが崩れる可能性は高い。特に《滅亡の起源 零無》を使用できないオリジナルフォーマットでは要注意。

《検問の守り 輝羅》《反逆龍 5000typeR》系でもアビスラッシュを無力化され、《煌ノ裁徒 ダイヤモン星》でコスト軽減を消されても打点が少しずつしか伸ばせなくなる。

それらを対処してもなお《こたつむり》《月砂 フロッガ-1》《レク・シディア》といった速攻メタで戦術が崩壊する。自身ターンの《邪侵入》《流星のガイアッシュ・カイザー》のタダ出しを許してしまうおまけ付き。総じてメタビートは非常に不利。

メインアタッカーである《深淵の三咆哮 バウワウジャ》は闇のクリーチャー及びタマシードが自身含め計4枚以上無ければタマシードに逆戻りしてしまう。このクリーチャーでブロックする前提で居た結果その矢先に大量除去を食らい、これによりタマシードに逆戻りしブロック不可となる事態も起こり得るので注意。

パワーの低いアタッカーもそれなりに多いため、速攻対策で使われる全体除去もそこそこ刺さる。ロック手段も無いため、警戒するならば《ジャシン帝》・《バウワウジャ》・《テブル=ザザーム》等の高パワークリーチャーを大量に展開する必要がある。

除去を受け付けるシチュエーション自体はそれなりに存在するため、【青黒緑有象夢造】のようなデッキに入る《SSS級天災 デッドダムド》で継続的に除去される展開も若干厳しい。

展開力は基本的に《アビスベル=ジャシン帝》有りき。素のコストも速攻デッキとしては全体的に高いため、《ジャシン帝》が着地しなければ展開力がガタ落ちしてしまう。
さらにアビスラッシュで出したクリーチャーは効果によりそのターンの間しか存在できず終了時に山札の下へと戻ってしまう。墓地利用なので手札こそは消費しないものの、決め切れなかった場合は墓地リソースを消費した上でバトルゾーンの頭数は展開前まで逆戻りとなってしまう。
ただ、《深淵の三咆哮 バウワウジャ》《悪灯 トーチ=トートロット》のように、耐性自壊の能力で結果的にアビスラッシュでの山札送りを打ち消しているものもある。

《絶望と反魂と滅殺の決断》はメタ対策や《ジャシン帝》の蘇生が可能と一見相性が良さそうに見えるが、このデッキにおいて5というコストはかなり重い部類。S・トリガーやコスト軽減も持たず展開も《ジャシン帝》存在下のアビスラッシュで事足りる事が多いため、実は意外と使い辛い点が目立ってしまう。無論上記の様な恩恵はあるものの、無策で複数枚積むと逆にデッキ自体の動きを阻害しかねないため要注意。

安定フィニッシュには5ターン程度かかるため、それまでの除去、ハンデス、ブロッカーでの時間稼ぎの有効性が薄い高速デッキには手を焼く。妨害が通る前に高速マナブーストから一気に物量で押すドラゴン基盤系に不覚を取る場合もそれなりにある。

DM22-RP2発売以降

DM22-RP2で獲得した新規アビスにより異次元とも呼べる変化を遂げたため別枠で記載する。

  • 《邪龍 ジャブラッド》登場の影響が凄まじく、全てのアビスが除去耐性を獲得、アビスラッシュの欠点解決、墓地肥やし・山札掘削及び回復力の上昇、墓地リセット対策、《ジャシン帝》不在時の打点形成等、列挙すればキリがない程の強化要素をこの1体のみでもたらしてしまった。
    特に2体以上同時に並ぶとアビスの攻撃1回につき除去耐性が1回補充され、頭数が5~6体以上平気で並ぶデッキでありながらスパークやターン強制終了以外では全体除去すらも軽く耐えきってしまうのは圧巻の一言に尽きる。無論元から耐性持ちであった《ジャシン帝》や《バウワウジャ》は尚更対処が困難となった。
  • 《ブルーム=プルーフ》の獲得により侵略革命チェンジ等の踏み倒しにも強く出られる様になった。登場時に1枚墓地を肥やせるので2ターン目の選択肢も増えた他、アビスであるため上述の《ジャブラッド》と並ぶと場持ちが格段と良くなる。マナカーブも2→3と綺麗に繋がってくれる。

これらを初めとした新規札によって速攻・ロングゲームのどちらにおいても大きな強みが浮き出る強化を獲得し、以前までと比較して対応できる対面が激増した。

そしてDM22-EX2にて《漆黒の深淵 ジャシン帝》DM23-SP1にて《ドアノッカ=ノアドッカ/「…開けるか?」》といった軽コストかつ良質な除去を獲得すると、いよいよ以って《とこしえ》or《アプル》を1体立てられた程度では簡単に止まらなくなった。

環境において

DM22-RP1発売とほぼ同時に成立し、ある程度の速度と高い防御性能を兼ね備えるという独自性のある性能から環境でも入賞報告が散見されていた。
ただ、この段階では立て直しの弱さや《とこしえの超人》《若き大長老 アプル》といった主流の墓地利用メタが致命的に刺さるという弱点が目立ち、入賞数自体は多くなかった。
転機が訪れたのはDM22-RP2発売後。上述の通り優秀な新規による強化を受けて以前まで抱えていた弱点のほとんどを克服し、フィニッシュ性能も格段に上昇。それまでとは別物レベルで強化された事で使用率・入賞数共々急上昇し、環境での地位を大幅に上げる事となった。

DM22-EX2発売とともに《漆黒の深淵 ジャシン帝》を獲得。発売当初は目立った活躍こそなかったものの、後にアビスの必須枠として活躍するようになる。

しかし【絶望神サガループ】が環境に登場すると、そちらへの対策が困難な上に【サガループ】対策のメタカードがこのデッキにもそのまま刺さるという事で環境からほぼ脱落。【メタジャオウガ】の成立や【鬼羅.Star】の復権等といったメタカードを大量搭載したデッキの蔓延も致命的な追い打ちとなった。
【サガループ】台頭から暫く経ち環境での復権はもはや絶望的と思われていたその矢先、突如として《サイバー・K・ウォズレック/ウォズレックの審問》及び《漆黒の深淵 ジャシン帝》をそれぞれ4枚投入した型の入賞報告が相次いで見られる様になった。《絶望神サガ》やその補助札・対策札を含むコスト3以下の重要性が急激に増した事で《ウォズレックの審問》が環境に通り易くなった他、《漆黒の深淵 ジャシン帝》のコスト6以下蘇生効果で《サイバー・K・ウォズレック》の側を出す事で《邪侵入》再使用や相手の呪文利用が可能といった新たな戦術が見出された点等が要因となったと思われる。

また、単独では最高峰の墓地利用メタのひとつである《若き大長老 アプル》が、《とこしえの超人》に押され数が減ったことも要素として考えられる。
《とこしえの超人》アビスラッシュ墓地召喚のメタではあるが、マナ加速として逆利用はできたり、墓地が0枚でも《漆黒の深淵 ジャシン帝》で破壊できるので《アプル》よりはるかにマシな相手である。

DMGP2023-1st』Day2(オリジナル)では【アビス】括りでベスト128に3人残った。
その内1人は上述《ウォズレック》&《漆黒ジャシン》構築になんと《ノクターン・ドラグーン》を1枚差しした構築を使用しており、《漆黒ジャシン》の蘇生対象かつ《ウォズレック》や《マーダン=ロウ》では射程外となる《百鬼の邪王門》対策を主として投入していたとの事。

DM23-RP1発売とともに《ド:ノラテップ》を獲得。csではこちらを4枚採用する型と《サイバー・K・ウォズレック/ウォズレックの審問》を4枚採用する型の二つが主流となった。

DM23-SP1発売とともに《ドアノッカ=ノアドッカ/「…開けるか?」》《フットレス=トレース/「力が欲しいか?」》など優秀な新規アビスを獲得した。特に《ドアノッカ=ノアドッカ》は登場後すぐにcsで成果を上げ、一気にアビスロイヤルの入賞報告が増えた。1位から4位全て【黒単アビスロイヤル】の結果も届いている。

この頃には高速で畳み掛けるビートダウンに限らず《深淵の壊炉 マーダン=ロウ》などで妨害しながら場を整えて1ショットキルを狙うこともできるということで、重さがネックとされていた《絶望と反魂と滅殺の決断》も使われるようになった。

2023年『月刊コロコロコミック 7月号』の付録にて、闇単色にして相手の墓地リセット効果を持つ《深淵の文暴具 ケシカス=カース》を獲得した。

DM23-RP2期辺りから、デッキ掘削能力を活かして殿堂入りのカウンター封殺手段である《単騎連射 マグナム》にアクセスする型も散見されるようになった。

超CSV in 新潟』(オリジナル)では予選通過128人3人が使用と、予選実績9位タイを記録。同率には【白青黒天門】【マーシャル・クイーン】。しかしベスト8進出は逃している。

【絶望神サガループ】消滅を機に、環境でもそこそこの地位に復帰。直後には《奇天烈 シャッフ》をタッチした型がオリジナルのチャンピオンシップで優勝を果たした。この頃になると、《飛翔龍 5000VT》の影響を受けにくいパワーラインの優等生が多いデッキという利点が目立つように。

8月4週のオリジナルではメタカードが消えた影響で上位入賞率2位を記録。特に【白赤アーマード・サムライ】【超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン】といった特定のパーツに依存するデッキに対して早期のハンデス(回り方が良ければそれも1枚や2枚ではない)が刺さるのが大きい。

2023年8月の終わりのオリジナルのチャンピオンシップでは、《∞龍 ゲンムエンペラー》をフィニッシャーとして出張させた【青黒アビスロイヤル】なる派生形が優勝。DM23-SD3発売直前にはタッチされたマナをアテに《機術士ディール/「本日のラッキーナンバー!」》の呪文面で詰める型が流行。

DMGP2023-2ndでは予選実績9位のベスト128進出者中3人使用。

DM23-EX2発売2週目には《ボン・キゴマイム》G・ストライクなどの足止めへの対策として、《ダイヤモンド・ソード》《サイバー・K・ウォズレック》唱える前提での唯一の採用カードとして1枚積みした型が4位入賞。

ジュニア グランプリ2023』では参加者271人中36人使用と使用率1位。

DM23-RP4《アイロン=バイロン》《機深天 クロフェシー》《忍蛇の聖沌 c0br4》を獲得。

DM23-RP4期には《ウォズレック》で《ダイヤモンド・ソード》を唱えてG・ストライク《ボン・キゴマイム》を始めとした攻撃制限を突破する型がオリジナルで結果を出した(ただし32人規模のチャンピオンシップでの3位入賞)。

DM23-BD4DM23-BD5DM23-BD6DM23-BD7期のオリジナルでは、《秩序の意志》【青赤マジック】対策メインで4枚積みされケースもある。『超CSⅥ in群馬』準優勝を記録した構築にも4枚積みされていた。ほぼ同時期に開催された512チーム規模のチーム戦のオリジナルのチャンピオンシップでは3人中2人がこのデッキを使用したチームが準優勝。ベスト4には3面このデッキというチームが残っていた。

超CSⅥ in福岡』ベスト128進出者の中に6人残っており、【黒緑アビスロイヤル】【青黒緑CRYMAX ジャオウガ】と並んで予選実績6位タイ。しかしベスト8は逃している。

DM23-EX3発売前最終週末には、《邪眼王B・ロマノフ》軸の型がオリジナルのチャンピオンシップで3位入賞。

DM23-EX3期から5枚目の《サイバー・K・ウォズレック/ウォズレックの審問》、あるいはG・ストライク単色マナ目当てで《ゴースト・Re:タッチ》が1枚程度投入されるケースが見られるようになった。

超CSⅥ in群馬』ベスト128進出者中に10人が使用しており、予選実績5位。準優勝を記録している。

DM24-RP1《霊淵 ゴツンマ=ダンマ》《邪魂の王道 ジャシン帝》《深淵の憤髄 ファウン=テイン》を獲得。

【黒単零龍アビス】

アドバンスでは《滅亡の起源 零無》を搭載可能。特にこのデッキの場合、序盤の展開や《ジャシン帝》の除去耐性で手札を消費する点が《手札の儀》と相性が良く、アタッカーが大量除去に巻き込まれやすい点を《破壊の儀》で補える。
さらに墓地が0枚でも《邪侵入》1枚からcipで墓地を肥やすアビスを蘇生すれば、墓地利用メタに左右されがちな《復活の儀》《墓地の儀》をいきなり達成できてしまう。そのため墓地リセット程度では零龍卍誕を止められない。
こちらもDM22-RP2《セリヴィエット=エリー》を獲得した事で大幅に強化。cipで両プレイヤーの手札を削って《手札の儀》、墓地と場を何度も往復する事で《破壊の儀》の達成をそれぞれ狙え、全ての零龍の儀を能動的に達成できる様になった。

《滅亡の起源 零無》/《零龍》アドバンス。手札の消費が荒い点が《手札の儀》と好相性。
墓地が0枚でも《邪侵入》1枚から《復活の儀》《墓地の儀》達成を狙える

参考