DMPP-01〜DMPP-05環境 (デュエプレ)
DMPP-01 「超獣の始動 -MASTER OF DUEL-」期カードプールは第1弾220種に加えベーシックカード70種の計290種。 このカードプールでは「速攻はビートダウンに強く、ビートダウンはコントロールに強く、コントロールは速攻に強い」という三すくみが成立しており、バランスが取れていた時期と言える。 《ミラージュ・マーメイド》は条件を満たせば3枚ドローという強烈なアドバンテージに加え、cipが無条件となり強化されたサイバーロードの《ペコタン》と組み合わせやすいという点から水入りデッキで多く使われた。 《聖霊王アルカディアス》は一度出されると対抗手段が乏しく制圧力が高かった。特に呪文を多用する【ボルメテウスコントロール】に強烈に刺さり、一定の成果を出していた。【ターボバロム】も地雷として活躍した。 《二角の超人》は若干の弱体化を受けたが、マナ回収による手札補充のメリットが大きく、コントロールで広く採用された。 【赤単ヴァルボーグ】を除く【赤単速攻】や青単はベリーレア以上のカードの必要枚数が少なく、課金をしなくてもデッキを作りやすかった。 ベーシックカードやレア以下のカードでも《アクア・ハルカス》、《光輪の精霊 ピカリエ》などの有用なカードも多く存在し、ベリーレア以上のカードに頼らずとも基本的なデッキを構築することが可能であった。 この時期に活躍したカード・アーキタイプ
DMPP-02 「伝説の再誕 -RETURN OF LEGENDS-」期全85種が追加。《アストラル・リーフ》、《アクアン》、《超竜バジュラ》といったTCG版で活躍したパワーカードが調整され参入した。 《アストラル・リーフ》はパワーが3000に変更になったことと、《マリン・フラワー》が不在であり最速2ターンでの召喚が不可能になる弱体化を受けた。 2000火力に《クリムゾン・チャージャー》、《テンペストザウルス》が追加されたためパワー2000以下のウィニーは肩身が狭くなった。 この弾で登場した《サウザンド・スピア》が、環境初期には多大な影響を与えることになった。 《クリムゾン・チャージャー》や《サウザンド・スピア》以外にも《ブレイン・チャージャー》、《リバース・チャージャー》、《黒神龍ゾルヴェール》も獲得した【ボルメテウスコントロール】が流行した。前期から【ボルコン】を使っていた人だと、デッキ改造の出費がレア以下で済み、気軽に組めたということも関係している。 それらの影響によりブロッカーの信頼性が低い環境となり、対ブロッカー性の高い【リキッド・ピープル】は採用率を大きく落とした。 しかし、徐々に【ボルメテウスコントロール】は《アストラル・リーフ》や《アクアン》入りの構築にはリソースを奪いきれず攻撃に転じるスキが生まれにくいということが発覚。勝ちパターンに陰りが生まれたため採用率が低下することになる。 速攻は【ボルメテウスコントロール】による《サウザンド・スピア》での盤面リセット後も、攻めるための手札が維持できる《アストラル・リーフ》を入れた構築が大多数を占めるようになった。青赤、青緑が人気であり、青単もしばしば採用された。DMPP-01環境では評価の低かった《マーチング・スプライト》が、《アストラル・リーフ》の展開と合わせて大量ドローできることから大きく評価を上げていった。 《アストラル・リーフ》のcipの3ドローはビートダウン以外でも優秀な効果だが、低パワーバニラの《エレガント・ランプ》を採用せざるをえない関係上、欠点をごまかせるビートダウンが基本となる。詳細は【アストラル・リーフ】 (デュエプレ)を参照。 手札補充には《アクアン》も強力であり、【アクアンホワイト】、【アクアンブラック】、【アクアンホワイトブラック】が環境に進出した。水文明のマナには、この環境のカードプールでは最上位のS・トリガーである《アクア・サーファー》を無理なく採用できる。両者を4積みしても残り32枚は自由に選択できるので構築の幅は広い。 環境上位に君臨したものは【アストラル・リーフ】と【アクアン】、その他のデッキが追随する形に。 対戦バランスは、【リーフ】、【アクアン】、その他のデッキ間で有利・不利の相性関係が成立しており、特定のデッキが環境を支配することはなかった。
この時期に活躍したカード・アーキタイプ
DMPP-03 「英雄の時空 -ETERNAL RISING-」期全85種が追加。多種族クリーチャー、多色カードが登場した。 この弾では、デュエプレで初となる「リリース後、対戦バランス調整目的のテキスト変更」、所謂ナーフが行われた。 この弾を境にデュエプレでもインフレが目立ち始めた。 《ダイヤモンド・ブリザード》調整前(〜Ver.1.2.0)《ダイヤモンド・ブリザード》は「回収したスノーフェアリーの分だけ山札の上からマナブースト」という能力が足され、大幅に強化。《怒髪の豪腕》の相互互換に上方修正された《愛嬌妖精サエポヨ》をはじめとするスノーフェアリーがいくつか追加された事も手伝い、第3弾実装直後は【ダイヤモンド・ブリザード】 (デュエプレ)が環境を席巻した。デッキの作成難度が低かったことも流行に拍車をかけた。 スノーフェアリーは《光器ペトローバ》を出さなければクリーチャー全体のパワーが低いので、《聖天使グライス・メジキューラ》をバトルで突破できないという弱点があった。 さらに《神滅竜騎ガルザーク》を活用したビートダウン型【黒赤緑ドラゴン】も、【ブリザード】が動き出す前に殴り勝てる可能性があることから環境に進出した。 この時期の《無双竜機ボルバルザーク》だが、《ブリザード》のナーフ実施より前に《聖天使グライス・メジキューラ》+《バースト・ショット》により速攻デッキに厚くし、《バースト・ショット》と相性の良いシールド追加持ちかつ《メジキューラ》の進化元になる《無頼聖者スカイソード》を入れ、フィニッシャーに《ボルバルザーク》を添えた白赤緑デッキ(通称「【リースボルバル】」)が開発されていた。 《ダイヤモンド・ブリザード》調整後(Ver.1.2.1〜)【ブリザード】の弱体化後は、【ブリザード】の存在で難しかった追加ターンのハードルが下がった《無双竜機ボルバルザーク》と【黒赤緑ドラゴン】が環境での存在感を増していった。 《神滅竜騎ガルザーク》は「条件付きでスピードアタッカー、自分の闇のドラゴンが破壊された時に相手1体を除去できる」という能力が付加された。定番除去の《デーモン・ハンド》などで破壊しづらいという厄介な性能を持ったパワーカードである。当時のドラゴンは【デアリ(黒赤緑)ガルザーク】とも呼ばれるなど、デッキの顔となっていた。 《無双竜機ボルバルザーク》は追加ターンを得るのに「開始10ターン以降に召喚する」と条件がついた。だが、この環境では10ターンで勝負が決まらないということは珍しいことではなく、コントロールのフィニッシャーから、ビートダウンでのダメ押しの一手などにも盛んに採用された。新たに付加された「召喚時にS・トリガーが使えなくなる」デメリットは、1ターンのみのためプレイングで容易にカバーができる。 序盤に弱い【ガルザーク】や《ボルバルザーク》のメタとして各種の速攻が盛り返した。 【赤緑速攻】は《冒険妖精ポレゴン》の登場により1コストクリーチャーを12枚にできるようになり、《無頼勇騎ゴンタ》も獲得するなどデッキ自体も強化されている。 これまでファンデッキとして使われていたトリガーデッキは、リソース確保と暴発ギミックに使える《黒神龍ブライゼナーガ》を獲得。S・トリガーの種類は充実しきっていないものの、速攻デッキには豊富なS・トリガーで対抗できることから、【ブライゼボルバル】 (デュエプレ)として環境に登場した。 「ガルザークカップ」初期以降は、【ボルバルザーク】が跋扈する形で環境が停滞した。 なにより、《ボルバルザーク》《ガルザーク》《ブリザード》のいずれかより爆発力のあるカードがカードプールに存在していないというどうしようもない問題を抱えている。 10ターン以上の戦闘になるデッキ[2]ではほぼ100%《ボルバルザーク》が採用され、《ボルバルザーク》に勝つために相手より上手く《ボルバルザーク》を使わざるを得ない、《ボルバルザーク》を採用しないデッキは《ボルバルザーク》でフィニッシュさせないことに終始せざるを得ないという歪な対戦環境になってしまった。流石に本家よりはマシだが、第二のボルバル・マスターズと言う声もある。
この時期に活躍したカード・アーキタイプ
DMPP-04 「混沌の軍勢 -REBELLION SYMPATHY-」期全85種が追加。 【白抜き4色ボルバル】と【ヘブンズ・ゲート】の2つのデッキが4弾環境のトップメタとなった。 【ボルバルザーク】は、環境に特定のキーカードに頼ったデッキが多いため、ハンデスと除去で相手をコントロールする【白抜き4色ボルバル】が一般的だった。 【ヘブンズ・ゲート】では、3種の多色ブロッカーと《無双竜機ボルバルザーク》が切り札となった。 コントロールの隆盛により、【ボルメテウスコントロール】が再び環境に浮上した。《ヘブンズ・ゲート》など強力なS・トリガーを完封できる点が大きい。 【ジャイアント】は《剛撃戦攻ドルゲーザ》以外にも、大型クリーチャーの展開を強力にアシストする《西南の超人》、《剛撃戦攻ドルゲーザ》のシンパシー補助とドローソースを兼ねる《ハルク・クロウラー》などサポートも充実した。 【ウェーブストライカー】は《堅防の使徒アースラ》等のコスト3の5体と《マッチョ・メロン》の合計6体がW・ブレイカーを持つようになった。 《悪魔聖霊アウゼス》のタップキルに特化した【アウゼス】も登場した。 《電磁無頼アカシック・サード》は、バトルすれば入れ替わったクリーチャーがそのまま居座るようになり、入れ替え先のcipも使用可能という大きな変更を受けた。コンボデッキにはもちろん、ファッティの多めなデッキで速攻への殴り返し要員として採用されるなど、大きな存在感を示した。 環境に光と自然のクリーチャーが多かったので、《バキューム・ジェル》が「コストが同じでS・トリガーがついている《デス・スモーク》」感覚で、環境のメタカードとして活躍した。 速攻は《予言者クルト》、《血風神官フンヌー》を獲得し、《守護聖天ラルバ・ギア》を採用しないタイプの【赤白速攻】 (デュエプレ)が生まれた。【ウェーブストライカー】が並ぶ前に勝てる可能性を買われた。 【ダイヤモンド・ブリザード】は【青緑ブリザード】以外にも《ダイヤモンド・ブリザード》の弱体化で環境から姿を消した【白緑ブリザード】が復活している。 【青赤緑ビートダウン】は《無頼勇騎ゴンタ》《一徹のジャスパー》《電磁無頼アカシック・サード》を進化元にする《永刻のクイーン・メイデン》が軸となった。【メイデンビート】とも呼ばれるようになった。
この時期に活躍したカード・アーキタイプ
DMPP-05 「永遠の戦渦 -VORTEX OVERLOAD-」期全85種が追加。 DM-12で登場した5体の進化V+DM-13の《龍炎鳳エターナル・フェニックス》の6体はすべて、進化元と能力が変更され、一部ではコストも小さくなる上方修正がされている。 エターナル呪文の登場で、デッキ構築により幅が出るようになった。 《アポカリプス・デイ》の登場で、大量展開にリスクが伴うようになった。 S・トリガーと1000火力のcipを持つ《ピアラ・ハート》、1000パワー低下のcipを持つ《貴星虫ドレインワーム》が登場しており、パワー1000クリーチャーの場持ちが悪くなった。 既存のデッキタイプも、新カードの登場で強化されている。
バランス調整前(〜Ver.1.4.2)シールド焼却と場を離れた時にオールハンデスを放ち、ランダムハンデスも自己サルベージで対抗できる《暗黒王デス・フェニックス》は、前環境トップの【ボルバルザーク】や【ヘブンズ・ゲート】に有利なため注目を集めた。しかし速攻相手には進化Vする暇なくやられ、コントロール相手には進化元を除去され続けて進化Vができないという問題を抱えていたため、流れを変えることはできなかった。 結局、4弾環境上位のデッキ郡はそのまま上位に君臨しており、引き続きボルバル・マスターズと呼ばれる環境になった。 【ボルバルザーク】の構築は4弾環境で大きなシェアを獲得したハンデスと除去で相手をコントロールする型と、マナブーストで素早く《英知と追撃の宝剣》を打ち込む型とに分かれるようになった。 【黒赤緑ドラゴン】も大きく強化されている。 《蛇魂王ナーガ》はTCG版から能力が大きく変更され、アーキタイプが成立した。→【蛇魂王ナーガ】 (デュエプレ) 《マーシャル・クイーン》は一部で【トリガービート】の新たな主力として使われた。 2020年9月12日〜13日には公式大会「バトルアリーナ」が開催された。公式Twitterで発表された出場者のデッキ分布は下記のようになっている。
【ダイヤモンド・ブリザード】系デッキは受けの脆い【ハンデスボルバル】に強く、【ハンデスボルバル】はハンデスに対して脆弱な【ヘブンズ・ゲート】に強く、【ヘブンズ・ゲート】は素早く盾を割る【ダイヤモンド・ブリザード】に強いため、【ハンデスボルバル】→【ブリザード】→【ヘブンズ・ゲート】の3竦みが成立した。 ベスト8のうち2人の選手が【白緑ダイヤモンド・ブリザード】を使っていた。一方で、使用率も高かった【ハンデスボルバル】はベスト8進出はできなかった。 《デス・フェニックス》軸は、前述の通り対速攻での脆さと対コントロールでの進化困難が合わさり、結果を残すことができなかった。 【ウェーブストライカー】はランクマッチでも多く見られるデッキのため、デッキ構成・処理ルートが把握されている弱点を抱えていた。 【クイーン・メイデン】、【マーシャル・クイーン】はトップメタに有利というわけでもないので使用率は低い。 速攻系統の使用率の低さは、予選通過条件が全勝だったため敬遠されたのだと思われる。 バランス調整後(Ver.1.4.3〜)2020年9月17日に、デュエプレ2回目のバランス調整が行われた。 9月上旬のランクマッチにて対戦データを集計したところ、《無双竜機ボルバルザーク》を使用したデッキの使用率は41.9%(1位)であり、このデッキの要素を分析したところ、《ゴースト・タッチ》《汽車男》の併用が多く、それがゲームの閉塞感を発生させる要因となっていたためだと発表された。 ランダムハンデスの《汽車男》と《ゴースト・タッチ》はセルフハンデスに変更され、開幕から運次第でドローソースを引き抜き、窮屈な立ち回りを強いることが難しくなった。 《無双竜機ボルバルザーク》はDP殿堂でデッキに1枚しか入れられないようになった。 《聖獣王ペガサス》と《太陽王ソウル・フェニックス》は想定していた使用率を下回っていたため、上方修正が行われた。《聖獣王ペガサス》はコストが1下がり、デッキから確実にクリーチャーが出せるようになった。《太陽王ソウル・フェニックス》は味方にスピードアタッカーを付与する能力を得た。 バランス調整後は、【ボルバルザーク】系統のデッキが事実上組めなくなったことで環境から姿を消し、かつてないほど多くのデッキタイプが見られるようになった。具体的に挙げれば【ヘブンズ・ゲート】、【ウェーブストライカー】、【クイーン・メイデン】、【ダイヤモンド・ブリザード】、【暗黒王デス・フェニックス】、【蛇魂王ナーガ】、【聖獣王ペガサス】、【ボルメテウスコントロール】、【赤白速攻】などである。環境終了間際まで新たなデッキの発見やメタの変化が起きており、様々なデッキに活躍の機会がある理想的なバランスの環境になっていたと言える。
この時期に活躍したカード・アーキタイプ
参考タグ:
[1] TCG版でも登場した闘魂編では結果を残せておらず、環境に進出したのは《緑神龍ミルドガルムス》、《母なる紋章》、《龍仙ロマネスク》などの登場がきっかけである。 [2] 《アクアン》をドローソースに据えるため、闇でも光でもないカードを極力減らしたい場合を除く |