切札(きりふだ) 勝舞(しょうぶ)

漫画・アニメ「デュエル・マスターズ」シリーズの初代主人公
漫画「デュエル・マスターズ」、続編の「FE(ファイティングエッジ)」・「SX(スタークロス)」、
アニメ「デュエル・マスターズ」と続編の「チャージ」、
「チャージ」までとはつながりのないアニメ「ゼロ デュエル・マスターズ」、続編の「ゼロ」・「クロス」・「クロスショック」の主人公である。

漫画での年齢はFE開始時点で11歳[1]
漫画「VS」では、「多分21歳くらい」とされている。

アニメでの声(少年時代)は小林由美子氏が担当。
小林氏は弟の切札 勝太、甥の切札 ジョーと、切札家の主人公格を3世代にわたって担当しており、デュエマは氏個人を語る上でも欠かせない存在といっても過言ではない。
青年期は内山昂輝氏が担当。

ドラゴンファイアー・バードの連携をテーマに置く事が多く、切り札もドラゴンが多い。
使用デッキカラー文明を主軸とし、他の文明を1つか2つ加えている事が多い。
他の文明は自然、いずれも使っており、漫画もアニメも全体的に自然が多く、次に光が多く、水と闇の使用頻度は低め。
FEの最終決戦のみ、5色レインボーカードも使用。

勝舞編

Magic:The Gathering時代は速攻をテーマにしつつ、様々な色のカードを使用。
三国に手痛い敗北を喫した後は周到に対戦相手を対策して試合に臨むようになる。

ちなみに、記念すべきNACとの初デュエルにおいて、最初に使用されたカード土地「《Library of Alexandria》」[2]。である。
(厳密にはもう1枚最初のページで使用しているのだが、カード名が表記されておらず、不明である)
(この記念すべきこのカードは後にデュエマにも登場する事になるのだが、この時から実にリアル時間で20年以上の事である)

デュエル・マスターズに変更後も、しばらくは《凶戦士ブレイズ・クロー》《機神装甲ヴァルボーグ》などの速攻向きカードを好んでいた。
だが、《ボルシャック・ドラゴン》などのファッティも1つのデッキに共存していたため、傍から見るとジャンクデッキのようでもあった。

その後《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》《無双竜機ボルバルザーク》など、各エキスパンションの火文明の目玉カードがプッシュされるようになると、それらを交代で使用するようになる。
火文明以外に加える文明も唐突に変わるため、デッキの内容は一定に落ち着かないが、主に火の大型クリーチャーを切り札としている。
漫画とアニメを全てあわせると、名前に「ボルシャック」、「ボルメテウス」、「ボルバルザーク」、「NEX」、「XX」とあるカードなど、2010年度までに登場したヒーロー級のアーマード・ドラゴンはほとんどを使っている。

劇中では最初から強いと言われているが、敗北が多いのが特徴の1つ。
特にアニメでは、各シリーズの最後に戦う相手に負ける事が多い。
初代では最終回前にDr.ルートに敗れ、「チャージ」最終回でザキラに敗れ、「ゼロ」前半最終回で白凰に敗れ、「ゼロ」後半最終回ではディッセンに敗れている。
デュエル・マスターズ日本大会編の合宿では白鳳に敵わない劣等生といった位置付けであった。
アニメで一区切りする時の決戦での勝利は、「クロス」50話のザキラ戦が初めて。

漫画にて、クリーチャーと会話する能力を持つ。
初期では番外編におけるギャグ扱いだったようだが、本編においても「SX」にて、デュエルマスター・アダムの持つ特殊な力である設定が登場し、ついには勝舞もデュエルマスターに覚醒する。

映画「黒月の神帝」では、自分のクリーチャーの言っている事が分かるとルナに話しており、《ボルシャック・NEX》にからかわれて顔を赤くする場面も。
一方、中盤で自分のクリーチャー達が怒っているのがなぜなのかわからず、常に言葉が全部わかるとは限らない模様。

漫画ではアダムとの決戦後、地球を破壊せんとする塔を止めて世界を救ったが、直後に塔の崩壊に巻き込まれ行方不明となり、死亡扱いとなった。
葬儀にはアメリカ大統領やNAC、各地のデュエルマスターが招かれており、国の長が1個人の葬儀に参列する事は希であるため、大規模な葬儀だった模様。
行方不明になってから数年後(れく太が16歳であるため、4〜5年後)、記憶喪失となった状態で勝利と再会した。

勝太編

切札には少年時代に愛用した《無双竜機ボルバルザーク》の転生版の《ボルバルザーク・エクス》《ボルシャック・ドラゴン》の流れを組む《ボルシャック・NEX》《切札龍 ボルシャック・マスターズ》《超竜キング・ボルシャック》を使用している。またドラゴンと相性の良い《コッコ・ルピア》《チッタ・ペロル》などのファイアー・バードも変わらず使っている。
少年の頃と変わらずクリーチャーと心を通わせており、その実力は現役デュエリストである勝太に引けを取らない。

髪型は変わらずに背丈は伸び、その姿は父親の切札 勝利を髣髴とさせるようになった。

勝太編では漫画「ビクトリー」3巻の番外編にて初登場。
勝太と度々会い、そのたびにデュエルしているようだが、依然として記憶は戻らず、勝太や自分の事すら覚えていない。
家にも帰らず、自分探しのため映画俳優やプロ野球選手と様々な職業に手を出し、どの世界でも一流の腕前を発揮するという超人ぶりを発揮した。
勝太とのデュエルのとどめで、自分もパンチをしたのが気持ちよかったようで、勝利後は自分がボクサーだったと思い、プロボクサーの道を進み始めた。

それから4年後の「VS」では、今までに稼いだ莫大な富で孤島の山頂に「ビクトリー王国」を築き、国王として不自由のない生活を送っていた。
その堕落した様子を見かねた勝太とのデュエルの最中に、少年時代の自分に諭されて、「世界一のデュエルバカ」という本来の自分を思い出した。
記憶がどれほど戻ったのかは本人にもわからなかったが、王国を後にし、再び放浪の旅に出かけた。

アニメでは「ビクトリー」で存在に触れられていたが、「VS」第30話でようやく登場。
「葬式まで行われた」と明言されており、漫画の番外編で勝太と対戦した後の話になっている(「VS」以降のアニメは、原作寄りの設定に変わっており、「ビクトリー」で語られた事はなかった事になっている。またアニメでは描かれていなかった原作のアダムとの決戦を思わせる回想シーンが描かれた)。
放浪生活の過程において、周囲の人間が金目当てでしか無いことに嫌気が差し、冷徹な人間と化し『デュ円』がすべてを握るミッ土瓶タウンの支配者となってしまった。
当初は正体を隠し「ミスターマッチ(match=勝負)」と名乗っていた。余談だがこの話は全編が北斗の拳のパロディに溢れており、侍女のユリ(声優は若井友希氏)とマミ(声優はあかり、野球少年Aを担当した土師亜文氏)は「ユリア」と「マミヤ」、自身は「ラオウ」のパロディであり、デュエマで負けた相手のカードをすべて奪うなど暴君のように振る舞っていた。

仲間達に頼ることに馴れきってしまった勝太に「自分の力で立ち向かうことの大切さ」を教えるため、無人島に独りきりで放り出す等、勝太の成長を促し、「デュエマ甲子園」土瓶エリアのエリア代表決勝戦の相手として勝太と対決する。
勝太に敗れたことでデュエマの楽しさを思い出し、ミッ土瓶タウンに全財産を残して再び放浪の旅に出かけた。

「VSR」では第34話〜第36話に登場。「VS」で勝太に負けた後、新たなボルシャックを探す旅の中で、月の動物を支配する百獣の王となった(武井壮氏のパロディ)。
バサラに敗れ意気消沈する勝太に手紙を送り、自らが治めている月へ来るように誘い、月で見つけた2枚のボルシャックの片方を勝太に渡しデュエマを挑む。
《超竜キング・ボルシャック》で負けることを恐れる勝太を煽り追い詰めるが、自身が渡した《ボルシャック・ドギラゴン》に逆転され敗れた。
以前勝太にデュエマの楽しさを思い出してもらった事への恩返しであったが、デュエマ中に煽られたことに怒った勝太に殴られてしまった。

「VSRF」第44話にて、勝太るるの結婚式で乾杯の音頭として招待された時は、内閣官房副長官となっていた。後の第47話における、庵野秀明監督作の映画「シンゴジラ」のパロディ回の布石である。
尚、勝太に先を越されたと言っていた事から、今も独身だと思われる。

  • 弟の勝太に子供ができたことで、彼はその子供である切札 ジョーの伯父となった。甥っ子であるジョーに対してはベタベタに甘く、ジョーの母親であるるるからも注意をされるくらいである。
    • このように甘いのは、かつて弟である勝太と共に過ごせなかった過去があるからと思われる。同じくジョーの叔父となったルシファーも似たような経緯があり、彼もジョーに対して甘やかしている。

ジョー編

「!!」ではとうとう総理大臣になった模様。テレビで新元号の令和を発表していた。

  • ちなみに、現実で「令和」を発表したのは総理大臣ではなく官房長官である。もっとも、その官房長官も後に総理大臣になっているが。

「2017」や「キング!」では小学生時代の彼が登場し、勝太ジョーとデュエマをする。

その他

  • コロコロコミック連載期間12年近くとなる、ホビー漫画継続最長の主人公であり、アニメでも8年間シリーズで連続で登場し(主人公ではない「フラッシュ」でも登場)し、漫画・アニメともTCGホビー作品でシリーズ最長寿主人公である。
  • カードゲームに対する姿勢をあらわした彼のセリフは公式、ファンコミュニティの両方でたびたび話題にされる。
    • (牛次郎殺害を指示されて)「言われなくてもそのつもりだ」
      • 漫画の無印時代、牛次郎白凰を卑劣な手段で撃破。これを受けDr.ルートに「牛次郎を殺せ」と命令され、怒りの表情で即答した際のセリフ。
      • その形相もあり極めて印象的なシーンとして挙げられることも多い。デュエマを以って牛次郎に殺意を向ける表現。ただこれ以降勝舞はデュエマにおける命のやり取りを否定する態度をたびたび見せており、そうした態度とこのセリフは一見矛盾している。この矛盾についてはファンの間でも解釈が分かれるところで、幾多の戦いの中で知らず知らずの内に不殺主義に目覚めたとも、そもそも「徹底的に叩き潰す」という意志を強調表現したに過ぎなかったともいわれる(事実、この時トドメを刺された牛次郎は死亡しておらず、五体も満足であった)。忘れられがちだが、作中のデュエマは本来「負けた者は死に至りかねない」「ただ攻撃するだけでも、プレイヤーやその周辺を直接害し得る」[3]ほど危険なゲームである。
      • この直接的な殺意の描写は流石に問題視されたのか、単行本では「牛次郎をつぶせ」に変更されている。もしここで怒りに身を任せ実際に殺害していたら、次に示す名台詞も説得力に欠けた空虚なものになっていただろう。
    • 大好きなデュエルで人の命は奪えない
      • 漫画「FE」でのザキラ戦勝利後、涙を流しながら発されたセリフ。当作屈指の感動シーンとして挙げられることも多く、DMEX-15でも「名場面」のひとつとして選出された。
      • 無印や「FE」ではガルドがデュエマで人命を奪う描写がたびたびなされており、それに対する明白なアンチテーゼとなっている。
  • 「カードに命かけるやつなんてこの世にいねーだろ」「カードゲームで死にたくないからな」
    • 前者は勝太編で記憶喪失中に発された。後者は公式パロディ漫画・切札勝舞はマジック:ザ・ギャザリングを使いつづけるにて、デュエマプレイヤーへの転向を拒絶する際に発された。
    • どちらもかなりネタ性が強いセリフ。無印〜「SX」にかけ、何だかんだで命のやり取りを伴うデュエマを強いられてきた勝舞自身に対する痛烈な皮肉である。健全で安全なゲームプレイを勧めるこの発言は、ある意味児童向けホビーとして真っ当なものとも言えるが…。
    • ただし、上記の「大好きなデュエルで人の命は奪えない」というセリフにもある「人命を左右するようなゲームはあってはならない」という観念をコミカル・露悪的に表現しただけと解釈することもでき、勝舞のセリフとしてそこまでおかしいものでないという見方もある。
    • 尤も、前者は記憶喪失によってデュエマのことを忘れた時のセリフであり、後者はそもそもデュエマをやったことすらない時のセリフ。つまり、両者共にデュエマに思い入れがない状態なので、それらを踏まえればこれらのセリフは不自然ではないだろう。
  • 作者の松本しげのぶは「勝った人と負けた人が一体どうなるのか?」「その先に何があるのか?」を勝舞編のテーマと位置付けており、勝舞については「僕の闘争心がキャラクターになったものなんです」と説明している。参考
  • ちなみに名前の由来になっている「勝負」という単語からか切札『勝』と様々なところでよく間違えられる。正確には切札『勝』である。

戦績

+  折りたたみ

関連カード

関連デッキ

関連パック

デュエル・マスターズ プレイスでの使用デッキ

本編よろしく殆どが火文明のドラゴンを主力としたデッキを扱う。対戦開始時の称号は『全開バリバリ』。

+  一覧

超英雄タイム!

  • DMPP-18リリース後のシティバトル「勝舞の願い 前編」で使用。

獲得経験値16(4)。

伝説の聖炎!

  • DMPP-18リリース後のシティバトル「勝舞の願い 中編」で使用。

獲得経験値16(4)。

火炎ヴァルバスターなう!

  • DMPP-18リリース後のシティバトル「勝舞の願い 後編」で使用。

獲得経験値16(4)。

太陽王の帰還

  • DMPX-01リリース中期のシティバトル「しっくりくる呼び方 前編」で使用。

聖竜の物語

  • DMPX-01リリース中期のシティバトル「しっくりくる呼び方 中編」で使用。

戦国武者修行

  • DMPX-01リリース中期のシティバトル「しっくりくる呼び方 後編」で使用。

参考


[1] 年齢の同じれく太が新学期で6年生になったため
[2] 邦訳されていない為日本名なし
[3] 《ボルスレッド・ファイアー・ドラゴン》の攻撃でザキラは左腕を吹き飛ばされている
[4] 通称ボルシャックホール
[5] 侵略ZERO《流星のガイアッシュ・カイザー》ではブレイクを防げない